川重の今期、純利益64%減の見通しを据え置き 造船「構造改革」の体制強化

 川崎重工業が28日に発表した2016年4〜9月期の連結決算は、最終損益が前年同期比2億4200万円の赤字(前年同期は268億円の黒字)だった。24日には3億円程度の赤字になる見込みを示していた。造船を含む船舶海洋事業が164億円の営業赤字を計上したのが響いた。17年3月期の連結業績予想は純利益が前期比64%減の165億円になる見込みなどと9月30日に発表した予想を据え置いた。

 4〜9月期としては7年ぶりの最終赤字になった。不振の造船については撤退も視野に検討し、17年3月期末までに結論を出すと発表していた。16年4〜9月期は船舶海洋に加え、鉄道などの「車両」と二輪車や水上バイク(ジェットスキー)などの「モーターサイクル&エンジン」の前年同期は黒字だった2部門も営業赤字を計上した。

 16年4〜9月期の売上高は前年同期比2%減の6972億円、営業利益は80%減の84億円だった。

 17年7月期の売上高は2%減の1兆5100億円、営業利益は65%減の340億円になる見通し。円高によって海外での受注額や収益が目減りする。円高の影響が期初の営業利益予想(700億円)を約260億円分押し下げたという。業績予想の前提は1ドル=102円、1ユーロ=114円とした。従来は110円、125円だった。

 同時に、企画本部長に常務の富田健司氏を起用すると発表した。12月1日付で就任する。同氏は現在、モーターサイクル&エンジン事業の社内カンパニーで社長に相当するプレジデントを務めるが、長らく船舶海洋部門に所属した。同部門に詳しい富田氏を企画本部長に充て、構造改革を加速する狙いがあるという。
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