シスメックスの4〜12月期、純利益41%増 検査需要が回復・ヒノトリ20台に

20220210シスメックス

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)が10日に発表した2021年4〜12月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比41%増の329億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大による影響が一服した局面では、通常の検査需要が回復。主力製品である血液検査に関する試薬の需要が国内外で伸びたことなどが寄与した。外国為替市場で円相場が平均1ドル=111円台と、前年同期(106円台)に比べて円安が進んだのも追い風になった。

 売上高は22%増の2589億円、営業利益は39%増の498億円。現地通貨ベースでは米州、欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア太平洋、日本と、中国を除く全地域で2ケタ%の増収と、需要の回復が鮮明だった。前年同期は抑制していた販売・サービス活動を再開したことで販管費は増えたが、増収による粗利の増加や、原価率の低い製品の販売増などで吸収した。PCR検査と抗原検査の試薬を中心とした新型コロナ関連の売上高は、55億1000万円(国内33億9000万円、海外21億2000万円)だった。

 2022年3月期の連結業績予想は据え置いた。純利益は33%増の440億円を見込む。足元では中国で検査機器販売が伸び悩むなど、一部で弱含む動きになっている。ただ通期予想の前提になる為替レートは1ドル=112円と、実勢よりも円高・ドル安に据え置いているため、多少の下振れがあっても業績予想の修正は必要ないとみている。

 このほか手術支援ロボット「ヒノトリ」は、今期に計上する売上高が想定した50億円を下回る見通しになった。リースやレンタルなど医療機関が導入しやすい料金プランの活用が広がったため。3月末時点での導入済みは国内で20台の見通しと、医療機関への普及は進む。

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