久元神戸市長「霞ヶ関の疲弊が心配」 相次ぐ国の方針転換に不満・ワクチン接種で

20220129久元市長

【神戸経済ニュース】「霞ヶ関が疲弊しているのをたいへん心配しています--」。こう話すのは、まさに霞ヶ関の総務省OBである久元喜造・神戸市長(写真=神戸市が配信した動画より)だ。「国土交通省の統計の問題とか、総務省の予算資料に13カ所のミスがあったと思ったら、他の役所からも(ミスが)ぞろぞろ出てくる」などと指摘。「しかり飛ばすだけではなくて、どうしたらこんなことが起きるのか、構造的に改善、改革していただかなければ、本当に心配だ」と語気を強めた。28日の定例記者会見で記者の質問に対して話した。

 久元市長にしては珍しく強い口調で話したのは、新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種について聞かれたからだ。国の対応をどう評価するか記者が聞くと、まず「苦労されているようだ」とひとこと。そのうえで、国の通知はすでに4回あり、接種の時期や対象を巡って「頻繁に方針が変わっており、これは困る」と語った。

 ワクチン接種は住民への通知・周知や、接種券の作成・送付、接種が済めばシステムへの入力、さらに必要な費用の国への請求など、「やらなければならないことが、たくさんある」。にもかかわらず、国の相次ぐ方針転換で「一刻でも早くワクチンを届けようとすると、作業を全部やり直さないといけない」と述べ、これまでの国のやり方を批判した。「われわれはチンタラ(だらだらと)仕事をしていない。必死にやっている」のに、国の方針転換で現場が振り回されることに、強い不満を表明した形だ。

 久元氏は、国が自治体の人的資源を浪費する現状を持続可能でないとみて、その背景に「霞ヶ関の疲弊」があると分析したわけだ。さらに「現場のことを理解していただいて、早め早めに方針を伝えてほしい」「きちんとした方針を、時間的余裕を持って伝えてほしい」と繰り返して述べた。場当たり的な方針転換は、国の成果にもつながらないはず。総務省で自治体と向き合うポストにあった久元氏だからこそ、自治体を振り回す現在の霞ヶ関に、特に不甲斐なさを感じているのだろうか。

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