商船三井など、商用コンテナ船の無人運航に成功 井本商運「みかげ」で世界初

20220126井本商運みかげ

【神戸経済ニュース】商船三井(9014)など8社は25日、同社がとりまとめて実施する無人運航船の実証実験で福井県の敦賀港から鳥取県の境港までの運航に成功したと発表した。自動運航のための専用の機材を搭載した井本商運(神戸市中央区)の内航コンテナ船「みかげ」(総トン数749トン)がコンテナ約70個を積載し、無事に敦賀港から境港まで輸送。離岸から接岸までの作業をすべて船員による操船なしで完了した。商船三井によると商用コンテナ船が離岸から接岸まで、完全に自動運航に成功したのは今回の実証実験が世界で初めて。

 レーダーやカメラの情報を人工知能(AI)が判断し、スピードや航路を自動的に制御して運航することができる。敦賀港を24日午後に出港し、境港には25日の早朝に接岸した。接岸時には甲板員が岸に向かってロープを投げるのではなく、ドローンが係留中の近くまでロープを運んだ。内航船の船員不足などに対応し、甲板員の大幅な負担改善につながることが検証できた形だ。商船三井などは、昨年5月に同様のシステムを使用して大型カーフェリー「さんふらわあしれとこ」(総トン数1万1,410トン)の自動運航にも成功していた。

 実証実験では商船三井が全体の調整を手がけたほか、古野電気(6814)、三井E&Sホールディングス(7003)傘下の三井E&S造船、セキド(東京都国立市)、商船三井グループの各社が要素技術や予備実証の機会などを提供。商船三井フェリーのカーフェリー「さんふらわあしれとこ」と井本商運・井本船舶の「みかげ」で実験航海した。

 この実証実験は日本財団の助成事業として実施。日本財団は25年には実用化し、40年には船舶の約半分が無人運航船に切り替わっている将来を想定。その際の経済効果は1兆円になるとみている。(写真左は操舵室内にある船の針路を示すディスプレー、同右はドローンを使って接岸する様子、いずれも井本商運提供)

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