神戸市とサイバー、問い合わせ電話にAIが応対する実証実験 税務分野で初

20220108タクセル

【神戸経済ニュース】神戸市とサイバーエージェント(4751)は7日、所得・課税(非課税)証明についての住民からの電話での問い合わせに人工知能(AI)が答える実証実験を実施すると発表した。11日に専用電話番号を開設し、AIでの応対を始める。証明書の取得方法など、住民から寄せられる定型的な質問にAIが答えることで、職員の業務を効率化。一方で問い合わせる住民は区役所などの業務時間を気にせず24時間、いつでも問い合わせることができるようにする。実証実験は3月13日まで。

 「所得証明の取得方法を知りたい方は『方法』、本人と別の方が取得したい場合などは『対象者』、窓口の情報を知りたい方は『窓口』とお答えください」--。アナウンスが示す選択肢を利用者が答えて回答にたどり着く方式は、従来の電話応対システムでも可能だった。ただ今回は通話中でも利用者が「解決しました、ありがとう」と言えば通話を終えたり、別の対応が必要と判断すれば人が応対する番号を案内したりと、AIが自ら人の話を聞いて判断する。

 サイバーはこれまで他の自治体で、新型コロナウイルスのワクチン接種予約や、交通規制に関する問い合わせなどにAIでの電話応対を活用してきたが、税務分野は初の取り組み。認識や判断ができなかった利用者とのやり取りが発生すれば随時対応し、AIが応対できる内容を徐々に広げて「賢く」していく。国の制度に従った分野とあって、神戸市で成功すれば同じものを全国展開できるようになるため、実証実験は着実に進めたい考えだ。

 神戸市は毎年、税務に関する問い合わせの電話を約30万件受けている。なかでも所得・課税証明に関連する関する問い合わせは多い。電話を受ける職員にしてみれば、同じ説明を何回も繰り返すことになる。個人情報を照会する必要がない問い合わせは、すべてAIに置き換えられる可能性があるとみている。まずは所得・課税証明に分野をしぼったサービスでの実証実験を通じて、利用者の反応やAIの対応能力などを検証する。

 AIの電話応対システムには「タクセル」と愛称も付けた。所得・課税証明の請求や取得に関してのみ対応する。電話番号は 050-3196-4508 だ。通話中は電話料金を利用者が負担する。

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