商工中金など「南京町・皇蘭」の北海に2億円融資 コロナ後に向け設備投資へ

【神戸経済ニュース】商工組合中央金庫(商工中金)は6日、豚まんやギョウザなどの中華総菜を「神戸南京町 皇蘭」ブランドで製造販売する北海(神戸市灘区)に対し、りそなHD(8308)傘下のみなと銀行、池田泉州ホールディングス(8714)傘下の池田泉州銀行と協調して2億円を融資したと発表した。商工中金が1億5000万円、みなと銀と池田泉州銀は各2500万円を引き受けた。同社の財務体質を強化したうえで生産性向上に向けた設備投資に取り組み、新型コロナウイルス感染収束後の収益拡大をめざす。

 商工中金が引き受けた部分は既存債務を組み替え、10年を期限とする満期一括償還型の資本性劣後ローンにした。さらに民間銀2行から調達した資金で、急速冷凍設備を導入するなど設備投資に乗り出す。商品や生産体制の見直しに着手し、すでに始めている立地や顧客の動向に合わせた店舗のリニューアルと合わせて生産性向上をめざす。新型コロナの感染拡大を受けた、みやげ物や外食の需要後退で、北海の売上高は減少した。そうした中でも「コロナ後」の需要回復をにらんだ設備投資で、中長期的な成長をめざす考えだ。

 利率など融資条件の詳細は明らかにしていない。商工中金によると、融資に向けては工場訪問や経営者への聞き取りなどを通じ、事業性を綿密に評価したという。経営者の事業継続への高い意欲も、評価のうえで重要な要素になった。既存の債務を資本性のある劣後ローンに置き換えて「財務体質を強化し、民間銀行が融資しやすくすることで、コロナ後をにらんだ前向きな投資にもつなげやすくなる」(商工中金神戸支店の担当者)。商工中金では、新型コロナの影響を大きく受けた中小企業を支援するモデルケースになるとみている。

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