カルナバイオ、血液がん治療薬が中国で治験へ 提携先の中国社が申請

【神戸経済ニュース】創薬ベンチャーのカルナバイオサイエンス(4572)は5日、新たな血液がん治療薬として開発を進めている薬剤「AS-1763」について、中国で臨床試験(治験)を実施する見通しになったと発表した。同社が中国と台湾でのAS-1763の開発・販売権を供与した提携先のバイオノバ・ファーマシューティカルズ(中国・上海市)は同日、中国の国家役員監督管理局(厚労省の医薬食品局に相当)に、新薬の臨床試験開始を申請したのを公表した。

 中国と台湾を除いては、カルナバイオが独自でAS-1763の開発を進めている。同社はAS-1763について独自の治験をオランダで21年4月に開始。22年には米国でも治験を始める計画だ。これに並行してバイオノバが中国と台湾での治験を実施する。

 カルナバイオは20年3月にバイオノバとAS-1763についてライセンス契約を結んだ。開発の進ちょくに応じてカルナバイオが最大約2億500万ドル(約215億円)を受け取ることが決まっている。医薬品としてバイオノバが承認を受け、中国などで発売した後はカルナバイオが最大で10%以上の料率の段階的ロイヤリティを受け取る予定としている。今回のバイオノバによる当局への申請が、カルナバイオの業績予想に与える影響はない。

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