川重、水素液化機の大型化・高効率化開発に着手 30年に単位あたり30円に

20220101水素液化機

【神戸経済ニュース】川崎重工業は、水素液化機の大型化・高効率化に向けた研究開発を2021年12月に始めたと発表した。現時点では日量で5〜25トンの水素を液化できる技術を確立している。これを発展させて商用運転規模まで水素液化機の大型化、効率化をめざす。まずは25年までに日量50トン、さらに30年までに100トン超の液化が可能にする。30年には船上引き渡しベースの水素の価格が、温度0度・1気圧の標準状態で1立方メートルあたり30円、50年には同20円まで引き下げる。(図は水素液化機イメージ=川重提供)

 再生可能エネルギーから作る水素や、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留を前提に化石燃料から作る場合など、多様な方式が水素を作るが、大量に日本まで輸送するには低温で液化するのが最も効率的という。ただ、国際的な液化水素のサプライチェーン(供給網)を構築した場合、水素の価格に占める液化のコストが約30%と最も大きな割合を占める。このため一度に大量の水素を液化できる、大型で高効率の液化機を開発すれば、水素の供給コストを引き下げるのに大きく寄与する見込みだ。

 川重は国内で唯一の液化機メーカー。水素液化機を構成する「圧縮機」「膨張タービン」「Wetタービン」「冷凍機」の4つの機械類について、それぞれ省エネルギー化やエネルギー損失の抑制などに取り組み、高効率化につなげる。特に核になる膨張タービンには、ガスタービン事業やジェットエンジン事業を通じて積み重ねた回転技術のノウハウや、油圧機器の流量解析技術などが複合的に生かされる。水素液化機の大型化・高効率化でコストを引き下げ、水素の利用を普及させたい考えだ。

 今回の開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が「グリーンイノベーション事業」として公募し、採択した「革新的液化技術開発」の一環だ。さらにNEDOが採択し、川重が全額出資した子会社の日本水素エネルギーが幹事会社である「液化水素サプライチェーンの商用化実証事業」と連携。今回、開発する大型・高効率の水素液化機はオーストラリアに設置し、未利用資源である褐炭(かったん)から作り、日本向けに輸送する水素を液化するのに投入する想定だ。

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