(解説)神戸市本社の上場会社、シャルレが値上がり率首位 年間株価ランキング


20211230年間値上がり率

【神戸経済ニュース】2021年の東京株式市場では、12月30日現在で神戸市に実質的な本社を置く上場会社45社のうち26社の株価が上昇した。最も値上がり率が大きかったのは、新事業が寄与して年末にかけ今期に2期ぶりの最終黒字を確保する見通しが強まったシャルレ(9885)で、株価は1年前に比べて56%上昇した。株式分割を考慮すると2位にG-7ホールディングス(GセブンHD、7508)、3位にバンドー化学(5195)と続いた。半面、20年に値上がり率が首位だったドーン(2303)は、値下がり率でトップになった。

 45社のうち最も上昇したシャルレは10月29日、2022年3月期の連結最終損益が10億円の黒字(前期は13億円の赤字)になる見通しだと発表した。従来予想である2億7000万円の黒字から、子会社のシャワーヘッド販売が想定を上回って推移したことで黒字幅が拡大するのを好感。一時は868円と2007年以来およそ15年ぶりの高値水準まで上昇した。新型コロナ感染拡大で同社の主力事業であるホームパーティー形式の販売会を開催する、婦人下着の訪問販売は収益が減少傾向にあっただけに、新たな収益の柱になるとの期待感も浮上したようだ。

 GセブンHDは証券会社のリポートで、「業務スーパー」の展開で注目された神戸物産(3038、本社は加古川市)の代替銘柄と指摘されて株価の上昇が加速した。業務スーパーのほか、精肉店なども積極出店で収益を拡大している。加えて世界で需要が高まった自動車関連の上昇も目立った。3位のバンドー、8位の三ツ星ベルト(5192)は自動車向けベルトを製造。タイヤの住友ゴム工業(5110)も5位に顔を出した。ただ自動車関連は秋口以降、半導体不足や物流混乱などを受けた自動車の減産に上値を抑えられた。

20211230年間値下がり率

 最も値下がり率が大きかったドーンは、映像通報システムが全国の警察が採用されるとの報道を受け、昨年末にかけて株価が上昇した反動が表れた形だ。警察庁は映像通報システムの入札を21年11月30日に実施。この日から2カ月以内に結果が発表されることから、ドーンの落札が判明するようなら同社の収益に改めて期待が高まる可能性も残る。一方で、業務用食品のトーホー(8152)や、百貨店に出店しているスタジオアタオ(3550)が値下がり率の上位に並んだ。新型コロナによる外出自粛の影響が長引いたのを映した。

 日経平均株価は年間での4.9%上昇し、年末値としては23年ぶりの高値になった。だが2月に到達した3万円台は定着せず、米株式相場が過去最高値を更新する展開を横に見て、むしろ上値の重い印象だった。日経平均の値上がり率を上回らなかった神戸市の上場会社は26社と多数派になった。半導体不足はじめ長引く物流の混乱や資源高なども含めた、広い意味での供給制約が株式相場に影を落としている。「コロナ後」には何がどれほど解決するのか、改めて吟味する必要がありそうだ。

(神戸経済ニュース編集長 山本学)

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