神戸市の前年度、一般会計9億2300万円の黒字 6年連続で財源対策せず
- 2017/08/10
- 00:08
神戸市が9日に発表した2016年度決算は、一般会計が9億2300万円の黒字(15年度は12億5600万円の黒字)だった。社会保障関係費用は増加したが、所得の増加に伴う個人の市民税による税収増や、財政の中期計画である「神戸市行財政改革2020」に基づいた経費削減などが寄与。6年連続で財源対策を実施せずに実質収支の黒字を確保した。
前年度の歳入は7113億3800万円、歳出は7023億9800万円だった。歳入と歳出の差額である89億4000万円から繰越財源の80億1700万円を差し引いた残りが実質黒字になる。黒字として残った9億2300万円は、市議会が決算を承認した後に決算剰余金として財政調整基金に組み入れ、今後の財源不足などに備える。
17年3月末時点の市債発行残高は1兆658億円と、前の年度末に比べて77億円増加した。本来は国が神戸市に支払うべき地方交付税の代わりに発行する「臨時財政対策債」の発行が増えているため。臨時財政対策債の残高は3月末時点で4151億円と、1年前に比べて367億円増加した。
一方で、住民の高齢化に伴い社会保障関係費の増加が今後も続く見通しだ(グラフ=神戸市の発表資料より)。9日に記者会見した久元喜造市長は、生活保護や保険会計への拠出が含まれる「社会保障関係費は行政でコントロールするのが難しい」との見解を示した。一方で「医療費を抑制していこうというのは社会の流れ」と指摘した。
医療費の削減に向けて久元氏は「たとえば、子供の医療費を完全に無料にするといったバラマキをやめるとすれば医療費の抑制にはつながる。かなり強い決意がいるし、批判もまねくだろう。だが、そういうことを考えていかなくてはならない」との見通しを述べた。加えて「『健康創造都市神戸』の(有識者)会議も作ったので、医療費のあり方もしっかり議論をしてほしい」と話した。
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