MORESCOの潤滑剤、「燃料デブリ」取り出し機器で採用 事故の福島第1原発

【神戸経済ニュース】特殊潤滑油など化学品を製造販売するMORESCO(5018)は8日、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業で、核燃料棒が焼け落ちた「燃料デブリ」を取り出す機器の潤滑剤に同社製の「モレスコハイラッド」が採用されたと発表した。世界最高レベルの対放射線性が評価を受けた。全長22メートルのロボットアームと、ロボットアームを格納容器に取り付けるための土台になる機器類すべてで使う。

 国際廃炉研究開発機構(IRID)は、いわき市で8日に開いた報告会で、燃料デブリの取り出しに使うロボットアームの性能などについて説明した。一連の機器はメンテナンス用に作られていた貫通口を通じて、格納容器まで到達させる。その後、障害物のすき間を探りながらロボットアームを伸ばし、燃料デブリを採取。これまでシミュレーションだけだった燃料デブリの状態を、実物で確認できるようになる。

 MORESCOの「モレスコハイラッド」は1980年代後半に、当時の日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)と共同で、核燃料の再処理施設などでの利用をめざして開発。同社が合成した有機化合物「ポリフェニルエーテル(PPE)」を主な原料とすることで、高線量の放射線による劣化という課題を克服した。今年に入って欧州原子核研究機構(CERN)など海外の研究機関で、同製品の対放射線性が検証された経緯もある。

 廃炉作業での採用は、同社製品の対放射線性の高さを改めて評価した形になった。MORESCOの対放射線潤滑剤・高度専門職である林義和氏は「人類史上で初めてともいえる原子力発電所の廃炉処理という重要な事業で、当社の技術や製品が貢献できるのはありがたい」と話していた。納入する量はわずかというが、廃炉作業に関しては採算にこだわらず貢献したい考えとしている。

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