関西電力「神戸らんぷミュージアム」が閉館へ 神戸市は展示継続を申し入れ
- 2021/11/17
- 13:30
【神戸経済ニュース】関西電力(9503)は17日までに、神戸市中央区で同社が運営する「神戸らんぷミュージアム」を2022年3月までに閉館する方向で調整していることを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた休館などもあり、来館者が大幅に減少したためPR施設としての役割をはたせないと判断した。国内でも有数とされるランプのコレクションなど、収蔵品をどうするかは検討中だ。神戸市は関西電力に展示を継続するよう申し入れた。(写真は館内展示の様子=関西電力提供)
「神戸らんぷミュージアム」は1999年に関西電力のPR施設として、旧外国人居留地のオフィスビル「クリエイト神戸」の3階に開館した。ランプや灯火具、マッチのラベル、文献など旧北野らんぷ博物館の「赤木コレクション」約3100点を関西電力が引き継ぎ、そのうち1000点強を展示している。新型コロナの緊急事態宣言が発令された際に臨時休館し、直近では10月1日に再開。金土日と祝日に開館しているが、以前ほどの来館客数はないという。
ただ、クリエイト神戸ビルを関西電力の子会社が開発した際に神戸市は、文化施設である神戸らんぷミュージアムが入居することから容積率を緩和、優遇した経緯がある。その後の建築基準法の改正で容積率が緩和されたため、神戸らんぷミュージアムが閉館しても優遇措置が残る状態ではないが、神戸市立博物館や神戸パールミュージアム、神戸とんぼ玉ミュージアムとともに文化施設の「旧居留地4館」として定着していたこともある。
こうしたことから関西電力の大株主でもある神戸市は、収蔵品の展示を継続するよう申し入れたと、神戸経済ニュースに対して明らかにした。具体的には「神戸らんぷミュージアムの跡地は、にぎわい施設になるよう可能な限り調整すること」「収蔵品は少数でも(同じく旧居留地にある)神戸関電ビルディングで展示すること」の2点を関西電力に求めたという。関西電力は、神戸市からの申し入れについて、収蔵品の今後のあつかいと同様に「現時点では検討中」(広報室)としている。
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