神戸市、「Live119」で応急手当て動画を通報者に配信 救命率の向上めざす

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【神戸経済ニュース】神戸市消防局は11月1日から映像通報システム「Kobe Live119」を活用し、救急要請などの通報者に対して応急手当ての動画を配信する。これまでは救急車が到着するまでの間に心臓マッサージや、のどに物が詰まった場合の応急手当てを、電話を通じて口頭で方法を説明しながら依頼していた。動画にすることで、応急手当てが初めての人でも正しい方法でできるようになり、救命率の向上につながると見込む。26日には神戸学院大学の学生が、配信された動画を見ながら心臓マッサージする訓練に参加した。(写真)

 スマートフォン(スマホ)からの通報で応急手当てが必要な場合、司令担当者の判断で通報者に動画のURLを記載したショートメッセージを送信する。通報者は消防局から届いたメッセージのURLを指で触れる(タップする)と、自動的に必要な動画が再生される仕組みだ。動画はKobe Live119で配信するために新たに収録した。通報者の電話が従来型の携帯電話や固定電話だと使えないが、スマホからの通報はすでに半分を超えており、今後も増えるとみられるため活用する機会も増える公算だ。

 神戸市では市内に本社を置く東証ジャスダック上場のドーン(2303)が開発した映像通報システム「Live119」を導入し、2019年11月に通報者から映像情報を提供してもらう運用を開始した。これまで92件の映像受信に成功。火災現場の状況から出動する消防車の台数を見極めるのに役立った。自動車事故に伴う救急要請の際には、現場の様子を映像で見極めて消防車も同時に出動させるなどの判断につながった例もあるという。パケット通信料金が通報者の負担になるが、協力を拒否されたことはなかった。

 これまで消防が映像を受信する側だったのが、配信も実施するよう「Live119」の用途を拡大した形だ。救急車が到着するまでの応急手当てによって、患者が社会復帰できるまで回復するかを分けるケースもあるとされ、動画配信によって少しでも早期の応急手当てに期待がかかる。訓練に参加した法学部4年の男子学生は、「初めての心臓マッサージでも、動作がすぐに理解できた」と話した。現代社会学部3年の女子学生は「心臓マッサージのときに手を置く位置は、動画だとより分かりやすかった」と話していた。

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