神戸市・米VCのスタートアップ育成、今年は100チーム募集 コロナ逆手に

20210710スタートアップ
 神戸市は9日、米有力ベンチャーキャピタル(VC)の500スタートアップス(カリフォルニア州)と共同で展開する2021年のスタートアップ育成プログラムについて、概要を発表した。昨年に続いて全編をネット上で開催するが、参加するスタートアップは100チームと昨年(20チーム程度を募集)の5倍に拡大する。新型コロナウイルスの感染拡大で渡航制限もあり、世界から神戸に集まれなくなったのを逆手に取り、育成するチームのすそ野を大きく拡大する。事業内容の分野は問わない。プログラム名も「500ファウンダーアカデミー」と変えて開催する。

 神戸市と500スタートアップスが共同で実施する起業家育成プログラムは、今年で6回目になる。新型コロナを受けて昨年、初めて全編をネット上で開催したところ、海外から応募したスタートアップが半数を超えた。多様なチームが参加できた半面、参加した17チームは日本、アジア、南北米州と、世界各地に散在。ライブ動画での講義はどのように時間を調整しても、誰かが深夜や未明といった時間帯になった。今回は録画の講義を取り入れることで、より世界中から参加しやすくする。日本語と英語を両方使い、ライブの講義や議論も実施。指導者との個別面談の時間は従来通り確保する。

 プログラムの開催時期も2回に分散する。9日から募集を始めた第1期は30日まで募集し、50チーム前後が9月6日〜10月1日にプログラムに参加。第2期は9月中旬から10月上旬に募集する予定で、やはり約50チームが11月中旬から約1カ月のプログラムに参加する。行政課題を解決する形式のスタートアップ支援事業「アーバンイノベーション神戸」の参加者や、今年度から始めるエンジニア育成事業など、他のプログラムの参加チームと合わせた、合同のデモデイ(資金調達のための投資家向けの事業説明会)を年度末の22年3月に予定している。

 500ファウンダーアカデミーの参加者は神戸市が今年度から始める、先輩起業家らをメンター(指導者)として招く「グローバル・メンターシップ・プログラム」に参加する権利も得る。政府は20年7月に京阪神など4都市圏を「スタートアップ・エコシステム・グローバル拠点都市」に選定。神戸市はスタートアップ支援を一段と積極化して、今後5年で1000チームのスタートアップ支援を目標に掲げる。神戸市は、世界中のスタートアップと投資家や企業を取り巻くネットワークの要として存在感を高め、より多くのビジネスや優秀な人材などを神戸に取り込みたい考えだ。

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