川重、大型液化水素運搬船のタンクで設計承認を取得 直径43メートル

20210623大型液化水素運搬船

 川崎重工業(7012)は、船舶に搭載する水素タンクとしては世界最大の容積である4万立方メートルのタンク設備を開発し、日本海事協会(東京都千代田区)から設計基本承認(AiP)を得た。摂氏マイナス253度に冷却して体積を800分の1にした極低温の液化水素を大量に海上輸送するための貨物設備として、認証機関である日本海事協会が基本設計を審査。技術要件や安全性について国際海事機関の勧告や船級規則など、各種基準を満たすと認めた。

 認証は4月28日付で取得。実証実験用に川重が開発した1250立方メートル型の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」の製造技術や安全性に関する技術を生かして設計した。タンクの直径は43メートルで、容積は大型の液化天然ガス(LNG)運搬船と同じだ。高い断熱性で運搬中の水素の気化を抑制するが、どうしても気化して発生する水素ガスは、運搬船自身が推進するための燃料として有効活用。液化水素輸送に伴う二酸化炭素の排出削減もねらう。

 同社や岩谷産業(8088)などで構成する技術研究組合の「CO2フリー水素サプライチェーン推進機構」(HySTRA)が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて実施する実証実験の一環として開発した。さらに、設計基本承認を得たタンクを4機装備し、16万立方メートルを運搬する大型液化水素運搬船(イメージ図=川重提供)を20年台半ばの実用化に向けて開発中だ。より低コストでの水素の輸入につなげ、「脱炭素」に寄与したい考えだ。

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