久元神戸市長「感慨深い」、井戸兵庫知事「意義あること」 新長田合同庁舎で連絡会議
- 2021/05/25
- 17:12
兵庫県と神戸市は25日午後、2021年度の県市連絡会議を新長田合同庁舎(神戸市長田区)で開催した。当番で事務局を務めた神戸市の久元喜造市長はあいさつし、「この場所で県市連絡会議ができるのは、たいへん感慨深い」と述べた。「新長田に県市で合同庁舎を作ろうという話を井戸知事からいただき、兵庫県庁で記者会見をしたのは2015年9月のことだった」と振り返った。「県市合同庁舎ができてから、(課題だった新長田地区の)昼間人口も大幅に増えた」と語った。
そのうえで久元市長は、県市協調で取り組む「最も重要なテーマが新型コロナウイルスとの戦い」と述べ、神戸市内の感染者を兵庫県が調整して神戸市外の病院で受け入れたことなどに、謝意を述べた。「しっかりと入院のための病床の確保に全力で取り組んでいるし、自宅待機の方へのケアも全力で行っている」と改めて話した。
これに井戸敏三知事も応えてあいさつし「県市連携の象徴的な合同庁舎で連絡会議ができるのは意義あること」と語った。そのうえで1994年ごろから検討が始まった「兵庫津ミュージアム」が今秋に一部、来春にも全面開業することについても「用地の提供や周辺整備など神戸市にはいろんな協力をいただいた」と県市協調路線の成果を示した。新型コロナについては感染者数などからみて「緊急事態宣言の解除にほど遠い」との認識を改めて述べた。
新長田合同庁舎は阪神淡路大震災で大きな被害を受けた新長田地区で、街のにぎわいを取り戻す策の1つとして震災後の再開発の一環で建設を決め、2019年夏に完成した。再開発は神戸市が主導して実施したが、計画した震災直後に比べて地価が大幅に下落したり、国内の経済情勢も変化したりで長期間にわたっていた。合同庁舎の建設に加え、兵庫県が総合衛生学院(神戸市長田区)を再開発地区内に移転することを決めたことなどで、新長田での再開発事業が大きく前に進んだ形になった。
会議は冒頭の両氏のあいさつのみ報道機関に公開した。
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