神戸市とシスメックス、自動PCR検査ロボット導入 官民連携の検査機関で
- 2021/05/18
- 17:39
神戸市と医療用検査装置のシスメックス(6869)は18日、両者などで連携して2020年6月に開設したPCR検査機関が「自動PCR検査ロボットシステム」を採用したと発表した。検査機関を現在のポートアイランド(神戸市中央区)内から神戸市西区のシスメックス研究開発センターへ17日に移転。川崎重工業(7012)とシスメックスの共同出資会社であるメディカロイド(神戸市中央区)が開発した、PCR検査ロボットシステムを設置した。神戸医療産業都市で開発した自動PCR検査ロボットの技術が、本格的に稼働する。
神戸市の久元喜造市長(写真中)とシスメックスの家次恒会長兼社長(同左)、メディカロイドの浅野薫社長(同右)が神戸市役所で記者会見して発表した。PCR検査ロボットシステムは調整を済ませて7月に稼働する計画だ。ロボットが稼働すれば同検査機関の検査能力は、従来の1日あたり300件から1500件と大幅に向上する。増加した検査能力で、シスメックスは神戸市が行政として実施する積極的PCR検査の1日300件のほかにも、病院や民間などから検査を受託できるようになる。
感染リスクが高い「検体のフタを開ける工程」から「拡散抽出」「試薬調整」「PCR測定・解析」の4工程を80分間でロボットがこなす。メディカロイドは空港で出国時の検査を想定し、海上コンテナに機器をすべて搭載する形式のシステムを開発したが、シスメックスのセンターでは機器を屋内に設置。保存していた検体の再検査なども含め、多様な工程を柔軟にこなせるようにする。検体は唾液を想定しており、複数の検体を同時に検査する「プール法」にも対応する。
家次会長兼社長は「ロボットは疲れないし、感染もしないので、(感染症にかかわる)PCR検査に非常に適したシステム」と説明。高い生産性と安全性の両方を備えた「新たなPCRを神戸から発信していきたい」と強調した。メディカロイドは国産初の手術支援ロボットである「ヒノトリ」を昨年8月に発売。これに続く新技術の実用化になる。久元市長は「新型コロナに対応するうえで非常に重要な技術が生み出されたことで、神戸医療産業都市を推進してきた神戸市としても、たいへんありがたい」と話していた。
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