神戸ABCの旅(8)「H」はりま もしくは 旗振山
- 2021/05/04
- 15:46
2019年12月8日に「編集長ブログ」に掲載した記事の再掲です
●第8回 「H」はりま もしくは 旗振山
シリーズ「神戸ABCの旅」ですが、ようやく第8回を更新します。神戸の地名をアルファベット順に1カ所ずつ訪ねていくうちに、長らく離れていた神戸の土地勘も戻るのではないか、という企画です。月に2回ずつ更新すれば、もうそろそろ後半戦のはずでしたが、更新の間隔がやたらと空いてしまいました。なので今回はスタート地点を2カ所にして盛り上げて?みました。それでは、お付き合いください。
地名を探すときは、まず駅名を参考にするのですが、Hで始まる駅名といえばJR神戸線の兵庫とか神戸電鉄の花山とかでしょうか。しかし今後も行く可能性がありそうなので、「はりま」を選んでみました。そんな駅、あった? と思われるかもしれませんが、こちらです。
どこやねん、という感じですが、須磨浦ロープウェーを登り、カーレーターを登り、リフトで渡ったその先にあります。須磨浦山上遊園の中にある駅というか、リフトの乗降場です。今回は、スタート地点にたどり着くまでの道を戻る旅になります。
とはいえ、それだけというのも寂しいので、さらに少し山道を登ってみました。するとたどり着いたのが旗振山の頂上でした。
「旗振山」。ここもHの地名だと思ったのですが、いずれにしてもスタート地点に到達するまでの道のりを遡る旅になったのでした。というわけで、とっととリフトに乗りましょう。
令和元年の写真です。なかなか、そう見えないかもしれませんが。その理由はリフトの色づかいではないかと思います。昭和カラーですよね。ベージュと赤の国鉄特急電車が走っていたころ。当時の新幹線普通車のイスがなぜかグレーとブルーでした。いまの新快速のイスのほうが数段豪華に思えます。ちょうど最も低くなったところで、播磨国と摂津国の国境を通過します。
これは、つまり現在の神戸市須磨区と同垂水区の区境を示しているのだそうです。しかし、そんな正確に昔の国境など分かるのかというと、ちょっと疑問です。国境は時代によっても動いているはずなのですが。明治時代の直前は、そこが国境だったということなのでしょうか。そんなことを考えながら到着するのが、もう一つのリフト乗降場「せっつ」です。そこには回転展望レストランのある円筒形の展望台があります。
回転展望レストランでカレーを食べました。カレーはどこで食べても美味しいですわね。うっすら淡路島と明石海峡大橋が見えているのですが、どうでしょう。肉眼ではハッキリ見えました。
おなじみのカーレーターでさらに下ります。
さらに乗り継いでロープウェーで須磨浦公園駅まで下ってきました。ロープウェーの駅は、山陽電鉄の須磨浦公園駅に直結しています。もう目の前が海で、後ろには急峻な山。平地は道路(国道2号線)と線路(JR神戸線/山陽電鉄)しかありません。
この辺を少しウロウロしてみると、須磨が昔からの観光地だったことが分かります。笛の名手で美少年だったことで知られる「平敦盛」が、源氏方の熊谷直実に討たれたのが一ノ谷の合戦。その舞台が須磨の浦というわけです。「平敦盛」といえば、彼を討った熊谷直実がのちに出家。時代が下って室町時代には、平敦盛には実は子供がいて、その子が京都から須磨を訪れると父の亡霊に遭遇するという後日談まで創作されたという人気キャラクター。平敦盛の墓碑がきちんと立てられています。
源氏物語には「須磨」「明石」に、それぞれ巻(いわば章立て)がありまして、光源氏が現地の女性と恋をするわけですが、要するに平安時代から風光明媚なリゾート地だったのですね。そんなところで源平の合戦などが発生してしまうと、格好の観光資源になってしまうわけです。こんなものも建ってしました。
「源平史跡 戦の浜」。昭和15年3月に神戸市観光課が立てたとあります。第2次世界大戦も始まっている時期だと思うのですが、なぜそんな時期に、これが立てられたのかは、よく分かりません。というか、調べ方もよくわかりませんが、現在の経済観光局に記録とか残っているのでしょうか。
そして、少し気になっていた、アレもみに行ってみました。
須磨海釣り公園。2018年の台風被害で閉園したままになっています。何か動きがあるように見えません。結果として漁礁になっている? 結局どうするのでしょうか。
さて源平の戦では「一ノ谷の合戦」というわけですが、その一ノ谷がどこなのかというのは判然としません。一ノ谷という地名はあり、一ノ谷川も流れていますが、実際に「平家物語」の巻九を読んでみても、合戦の風景がどうも実際の地形とは合わない雰囲気です。
高校のときに習ったのは「結局は鵯越(ひよどりごえ)の場所もよく分からない」ということでした。そういえば神戸電鉄の鵯越もHで始まる駅名でした。ただ、2回続けて墓地をウロウロするのも気が引けます。
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