アサヒHDの新中計、設備投資やM&Aの積極化を盛る 配当水準は下げず

20210427アサヒHD中計
 
 貴金属リサイクルのアサヒホールディングス(5857)は27日、最終年度である2024年3月期の売上収益(国際会計基準)2100億円、営業利益275億円などを目標とする新しい中期経営計画を発表した。国内では設備更新で生産性を高める設備投資を実施するうえ、海外ではM&A(合併・買収)を活用して北米以外でも貴金属の精錬事業に乗り出すことも盛り込んだ。設備投資やM&Aの資金として内部留保も充実させる。

 国内の貴金属リサイクル事業では、関東圏に最新鋭の技術・ノウハウを投入した新拠点を建設する。コスト競争力の強化とともに、IT(情報技術)を活用した営業ができるよう体制を整備する。2015年の買収から生産性向上の取り組みを進めてきた北米の精錬事業を軌道に乗せ、さらに貴金属製錬と金融取引を組み合わせた事業モデルを北米以外にも展開し、収益拡大をめざす。

 環境保全事業は広域で多種多様な廃棄物取引を手がけるのを強みに、デジタル化して事業効率を改善する。脱炭素化の流れに沿いながら、産業廃棄物の処理とマネジメントの両面で収益性向上をねらう。このほかグループ全体として能力主義や成果主義を徹底して人材の活性化をめざすと同時に、女性活用や障がい者雇用も計画的に高い目標を達成したい考えだ。

 株主への利益配分は引き続き配当を充実させる方針。配当性向は従来メドとしていた50%から、内部留保を意識して40%に引き下げる。ただ利益水準を高めることによって、配当金の水準が下がらないようにする。流動性を損ねる可能性がある自社株買いには、引き続き慎重な姿勢だ。
 
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