JCRファーマ、新型コロナのワクチン原液で新工場 神戸市西区の産業団地に

20210304JCRファ記者会見

 東証1部上場のJCRファーマは、英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスのワクチン原液を製造する工場を、神戸市西区の産業団地「神戸サイエンスパーク」内に建設する。4日付で神戸市から土地を約20億円で買い取る契約を結んだ。総工費は約116億円を見込む。国内で新型コロナワクチン原液の専用工場ができるのは初めて。JCRファーマの芦田信会長県社長(写真右)と、神戸市の久元喜造市長(同左)が同日午後、神戸市役所で記者会見して発表した。

 JCRファーマはアストラゼネカから新型コロナウイルスワクチン原液の製造を受託している。現在は他の製品の製造を縮小し、既存施設を使って原液を製造。ただ同社は2030年3月末まで製造を請け負う契約を結んでおり、期間中は原液製造を続ける体制を確保するのが受託の要件とあって、新工場建設に乗り出す。工場建設費の116億円は、自己資金とワクチン製造を急ぐための厚労省の助成金を充当する。土地代の20億円は自己資金を充てた。

 21年7月に着工し、22年10月に完成を見込む。地上1階建ての製造棟と地上3階建ての事務棟を建設する。JCRファーマはすでに工場を保有している神戸市西区の別の産業団地である「神戸ハイテクパークから近く、環境もよいことから神戸サイエンスパークを選んだ」(芦田会長兼社長)という。今後、神戸医療産業都市や大学など研究機関との連携もあり得るとの見方を示した。2021年3月期の業績予想への影響は軽微としている。

 久元市長は「ワクチンの安定供給は非常に大きなわが国の課題である中、国内で初めてのワクチン原液製造工場が神戸市内にできるのは大変有意義で名誉なこと」と話していた。神戸市は産業団地の土地購入を促す目的で実施する固定資産税の割引を、今回のJCRファーマの用地取得についても適用することを決めた。

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