(動画)神戸空港で大規模な事故訓練 新型コロナ対策を盛り込み150人参加



 神戸空港では19日午後、死傷者も出る大規模な航空機事故を想定した訓練を実施した。関西国際空港などを運営する関西エアポート(大阪府泉佐野市)傘下で、神戸空港の運営会社である関西エアポート神戸など20社・団体の約150人が訓練に参加。車両20台、航空機1機、ヘリコプター1機を使用した。あらかじめ作成した「神戸空港緊急計画」に従って、事故が発生した時の動きや、各機関の連携などを確認するとともに、救助の際にどういった新型コロナウイルス感染症対策が可能かなどを検証した。

 訓練は航空機(B737型機)が神戸空港に緊急着陸した後、滑走路上で動けなくなり、第2エンジン(右のエンジン)から出火、乗員と乗客に負傷者が発生したと想定した。火災の代わりに航空機の近くで発煙筒で煙を起こしたのを合図に訓練を開始。大型消防車3台と給水車が集まり消化作業に入ると、同時に救急隊が脱出した乗客らの救助活動を始めた。乗客・乗員数なども当初は訓練の現場に知らせず、事故の合図を受けて立ち上げた現地合同調整所では乗客が全員で30人だったのか、乗員を含めて30人だったのかといった情報を何度も確認していた。負傷者の全員搬送を確認して訓練は終了した。

 今回の訓練で新型コロナの感染が広がらないようにする目的で、参加人数を大幅にしぼった。2年前の前回は見学者も含めて約300人が参加したが、今回はその半分。空港関係の従業員や学生ボランティアが前回担当した負傷者の役は、ダミー人形や負傷者カードに置き換えた。マスクの着用や検温も徹底した。一方、実際の事故時に実施する感染対策も盛り込んだ。医療者は防護メガネ着用、消防は対人距離の確保徹底など、各機関のマニュアルに従った対策に加え、救護所内では「密集区域」と位置づけ、防護服の着用を義務付けた。

 関西エアポート神戸の社長を兼務する山谷佳之・関西エアポート社長はあいさつし、事故対応の際に「感染をどのような形で防ぐことができるか、一方で、それが目の前の負傷者を救助する妨げになってもいけない」と指摘。「現場のみなさんの知恵を集めていただき、また必要な手当てもして『これでやろう』というものが組み立てられれば、この訓練の成果になると考える」と話していた。

 訓練終了後に記者団の取材に応じた緊急計画連絡協議会の山本雅章会長(関西エアポート神戸執行役員)は「屋外のため訓練が感染を拡大させる懸念は小さいと感じた」という。さらに事故時の感染症対策については「訓練参加者の意見や感想などを聞いて、神戸空港緊急計画にも反映していきたい」と語った。空港では総合的な訓練を2年に1回は実施するよう法律で決まっている。前回の訓練は2018年10月に実施した。関西エアポートは22日に関西国際空港でも訓練を実施する予定だ。

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