神戸市、オフィスビル建設で税優遇 企業誘致も都心へ・20年度予算案

20200215久元喜造市長

 神戸市は20年度から新たに、オフィスビルを建設した場合に最大で5年間、ビルの固定資産税と都市計画税を半額に軽減する制度を創設する。都心のオフィスビル不足を解消するのがねらい。新たに神戸市内に拠点を開設する企業のオフィス賃料補助も拡充する。これまで産業団地などで力を入れていた企業誘致は、都心地域への回帰を鮮明にする。企業の集積度を一段と高めて、都市の競争力向上につなげる。

 14日に発表した20年度予算案に、オフィスビル建設の税優遇に関する費用1750万円を計上した。延べ床面積3000平方メートル以上の新築ビルが対象だ。賃貸借できるオフィスの面積が25%以上、住宅の面積が50%以下であることが条件だ。「都市空間向上計画」で定める予定の都心機能誘導地区への建設で5年間、その他の駅前など業務機能を集積させる地域で3年間の税優遇がある。同日記者会見した久元喜造市長(写真=神戸市が公開した動画より)は「就業人口を増やす」と新制度の意義を強調した。

 背景には神戸市の都心にオフィスビルの新規供給が不足していることがある。東京や大阪では大型再開発で、新たに大型オフィスビルの供給が相次いでいる。一方で神戸を含む地方都市ではオフィスの新規供給がほとんどなく、オフィス空室率も極端に低下しているのが現状だ。神戸では21年には神戸阪急ビル東館、GLION(ジーライオン)グループ本社ビルが開業する予定だが、面積からみてオフィス市況への影響は乏しいとの指摘もある。

 「神戸の弱みである都市型創造産業の集積を高める」(久元氏)のも、オフィス建設を推進する理由という。企業が神戸市内に市外から移転した場合、一定の条件を満たせば年間最大1000万円を補助。IT(情報技術)関連企業の場合は補助率を高めるなど、従来の移転補助制度も拡充する。立地の良さや強固な地盤などを背景に産業団地が完売に近づくなか、企業誘致も本格的に軸足を都心に移す。

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