(解説)阪神高速神戸線、10日連続で通行止めへ 5月24日から湊川~京橋で

20190505阪神高速通行止め要領

 道路運営会社の阪神高速道路(大阪市北区)は5月24日午前4時~6月3日午前6時の10日間、阪神高速3号神戸線の湊川~京橋の上下線など約7.2キロメートルを通行止めにする。1966年に開通してから50年超が経過したことによる老朽化を受けて通常の補修工事に加えて、長寿命化を目的とした工事を実施するためだ。通行止めの期間中は道路の混雑が予想されることから、阪神高速道路はう回ルートを設定するほか、中国自動車道などを使った「広域う回」なども呼びかけて対応する。

 今回、通行止めを実施する湊川〜京橋は、阪神高速の3号神戸線でも最初に開業した部分に当たる。阪神高速道路によると、2009年にも舗装などを新しくする「フレッシュアップ工事」を実施したが、10年が経過。舗装が一部で損傷して穴が開いたり、高架橋の継ぎ目(ジョイント)に浮きが発生したりといった不具合も目立ち、車線規制による緊急工事が増えているという。このため今回は高架橋の長寿命化も含めて根本的に老朽化対策に取り組むのが、10日間という長期間での通行止めの目的だ。

 工事の内容は、(1)道路自体の構造物の長寿命化(2)耐久性の高い舗装の新たな導入(3)ジョイント部分の取り替えやジョイントレス化(4)京橋パーキングエリアの改善などサービス向上(5)見やすい看板・標識への交換による安全対策--などと盛りだくさんだ。特に(1)の長寿命化では、すでに発生しているコンクリートのひび割れを防水層でふさぎ、雨水などの浸透を防いで劣化が進まないようにする。今後も道路を安全に走れるようにするためにも急務といえる工事だ。

 とはいえ今回の通行止め区間である湊川〜京橋は、日本でも有数の道路が混雑する区間だ。この部分を10日間も通行止めにすることについて、阪神高速道路は「通常の車線規制で実施すれば2年4カ月かかる工事を、短い工期で終えるため」(CS推進・広報室)と説明する。同社の試算によると、車線規制による2年4カ月の工事では渋滞による時間便益の損失額が約116億円に膨らむが、これを10日間の通行止め工事では約35億円に抑えられるという。

20190505阪神高速う回ルート


 新名神高速道路が開通し、中国道の交通量が減少したほか、7号北神戸線に接続する「新神戸トンネル」が阪神高速の一部分に加わった。このことで、う回するルートを作りやすくなったのも、通行止めで実施することが可能になった理由だ。阪神高速は期間中、通行止めになるルートを走った時と同じ料金になる「う回乗り継ぎルート」を設定するほか、中国道や山陽道を利用する広域う回を促し、神戸市内の一般道に通過交通が集中するのを避けたい考えだ。(う回ルートの図は阪神高速道路提供)
(神戸経済ニュース 山本学)

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