NTTドコモと神戸市が連携協定 高齢者の健康、六甲山カメラ設置など展開

20190314ドコモ神戸市協定

 NTTドコモと神戸市は14日、同日から3年間の予定で「ICT(情報通信技術)を活用した安全安心なまちづくり」で連携協定を結んだと発表した。両者は16年4月から3年間の計画で「ICTおよびデータ活用」で事業連携協定を結んだが、「発展的な形で」(久元喜造神戸市長)協定を結び直す。新たな協定に基づいて、要救助者の早期発見を目的として六甲山の登山道で省電力カメラの配置や、高齢者の見守りに関する実証実験などを展開する計画だ。実証実験は、いずれも19年度上期をめどに開始する。(写真は協定書に署名する久元神戸市長とNTTドコモの吉沢和弘社長)

 14日午後に神戸市役所で両者が共同記者会見を開いて発表した。NTTドコモの吉沢和弘社長は、16年から進めた神戸市との連携協定で「成果が着々と出ている」と説明。神戸市との取り組みは「社内で『トップガン』と呼ぶ、研究開発と法人営業が組んだ新たな市場開拓の先進事例になっている」と述べ、引き続き神戸市との連携をきっかけとした新事業の展開への期待を述べた。神戸市とNTTドコモはこれまで小学生向けの見守りサービスや、アシックスも参加したランニング向けサービスの実証実験などに取り組んだ。

 久元市長は「ICTには無限の可能性があると思う」と、引き続きNTTドコモとの連携に期待感を述べた。そのうえで「位置情報と、その対象になる人の状態を、具体的にリアルタイムで把握することで、迅速に適切な対応につなげる、というのが今回の実証実験の中で期待していること」と強調。中長期的には行政サービスの向上につなげたい考えだ。

 具体的に展開する事業の1つは、六甲山の登山道への遠隔カメラ設置だ。六甲山では、都心からの近さもあり気軽に登山する人が多い一方で、森林の中では全地球測位システム(GPS)による場所特定が難しいケースもあり、救助要請が少なくない。2017年には消防局の出動件数が71件、ヘリコプターの出動も40件あった。カメラで収集した画像を解析することで、要救助者の早期発見につながる公算だ。

 次に、高齢者の住宅内にレーダーの役割を持つ小型の装置を設置する。歩行や転倒、睡眠、脈拍などを検知することで健康状態を離れた場所から随時把握する。従来は離れた場所から健康状態などを把握する場合はカメラを設置するケースが多く、プライバシー保護の観点から懸念が残っていた。NTTドコモは子会社の投資会社を通じて、検知技術を持ち17年9月に営業を開始した米テラス・ユー・ケア(カリフォルニア州サンフランシスコ)に昨年11月に新たに出資したことも同時に発表した。

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