兵庫日銀短観、全産業DIは3期連続で改善 上期の収益が想定上回る推移に

20231003短観結果表

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が2日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観、9月調査)の兵庫県分では、全産業の業況判断指数(DI)が前回調査から1ポイント改善のプラス10だった。業況判断DIの改善は3期連続。原材料高の価格転嫁が進んで企業の利ざやが改善したほか、自動車メーカーでの生産回復が製造業に幅広く波及した。23年度の収益は、特に大企業や中堅企業で当初の想定よりも大幅に改善すると見込む。ただ消費の先行きには一部で不透明感が浮上した。

 調査期間は8月29日〜9月29日。兵庫県内の323社が対象で、回答率は99.4%だった。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。

 業種別にDIをみると、製造業は7ポイント改善のプラス6と、3期連続で改善して22年3月調査以来のプラスに浮上。「輸送用機械」の中でも「自動車」で改善が目立ち、「非鉄金属」「ゴム製品」なども大幅に改善した。自動車の生産回復に加え、価格転嫁が進み、利ざやが改善したのが追い風になった。半面、非製造業は5ポイント悪化のプラス15と3期ぶりの悪化だった。円安による輸入コストの増加や人件費の増加、個人の節約志向の高まりなどが影響したという。個人消費に近い業種ほど、慎重にな見方が出やすかったとみられる。

20231003短観グラフ

 もっとも収益計画を見ると製造業、非製造業ともに23年度の経常利益予想を上方修正した。23年度の経常利益は全産業で前期比16.8%増を見込む。前回調査では6.4%増と予想していた。このうち上期予想では製造業が15.3%増(前回は12.5%減)、非製造業が4.5%増(前回6.1%増)と、いずれも減益予想だったのを増益に見直した。上期の収益が、期初や春ごろなどの想定を上回って推移した様子がうかがえる。消費に不透明感がちらつく中でも、総じて見れば足元の収益は順調のようだ。

 2日に記者会見した日銀神戸支店の竜田博之支店長は「兵庫県の景気全体としては持ち直しの動きが続いていることが確認できた」との見方を示した。引き続き設備投資に前向きな姿勢も確認できた。ただ製造業・中小企業の23年度の経常利益予想が、前回調査に比べて改善したうえで前期比20.4%減の見通しである点に着目。22年度が前の年度比31.7%減と、大幅な減益が続く見込みで、「コロナ禍で低下した収益力の回復が遅れている可能性がある」と指摘する。

 景気全体としては回復しているが、中小企業は今期の減益見通しに加え、「仕入れ価格の上昇に比べて販売価格の上昇が弱い状況にあるなど、収益環境が依然として厳しい」との今回調査の結果も指摘。さらに竜田支店長は「下請け企業になるケースが多い中小企業では、元請け企業との適正価格での取引の強化を進めつつ、各種補助金を活用した事業再構築などを通じて、稼ぐ力の改善を図ることが求められている」と述べ、賃金上昇につながる収益改善に期待を表した。

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