ケミプロの前期、一転の税引き益61%減に 紫外線吸収剤の需要減速が響く

20230420ケミプロ

【神戸経済ニュース】化成品を製造するケミプロ化成(4960)は20日、2023年3月期の単独税引き利益が前の期に比べて61%減の7000万円になったようだと発表した。従来予想である12%増の2億円から下方修正し、一転の減益見通し。海外で自動車の生産回復が想定に届かず、自動車向けの紫外線吸収剤の需要が想定を下回った。このため売上高が想定を下回ったうえ、生産設備を維持するために営業外費用として計上する生産休止費用も5000万円ほど増加するのも響く。

 売上高は微減の97億円、営業利益は37%減の3億5000万円を見込む。従来予想は104億円、4億9000万円だった。紫外線吸収剤は10月以降に急速な在庫調整が必要になった。背景には米利上げなどを受けて、世界的に景気減速感が強まったことがあるという。原材料高、エネルギー高の販売価格への転嫁が追いつかず、従来予想も営業減益の見通しだったが、主力製品である紫外線吸収剤の需要減速によって減益幅が広がった。

 ケミプロは5月10日に2023年3月期の決算発表を予定している。

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