久元神戸市長「ばらまきで日本の中枢港湾の競争力が失われた」 独訪問団の質問に

20230311ドイツ訪問団

【神戸経済ニュース】神戸市の久元喜造市長は10日、独連邦議会の訪日団として訪れた議員の質問に答えて「全国に対するばらまきがあり、投資の選択と集中を怠った結果、日本の神戸や横浜といった中枢港湾はアジアの他の港に比べて競争力が失われた」と説明した。日本の港湾では少子高齢化などを背景に人手不足が常態化していることを踏まえ、対策などを含めて国からの支援は十分か、といった独議員の質問に対して述べた。

 久元市長は「港湾のオペレーションの効率化では国が開発したシステムを使うなど、全体としては国からの支援を受けている」との見方を示した。ただ「ここ数十年の日本の港湾政策をみたとき、神戸、東京、横浜といった中枢港湾と同時に、日本中にたくさんある中小港湾にも投資があって、投資が分散した」と指摘。半面、アジア各国では「韓国は釜山に集中投資したほか、シンガポールや香港、上海など国が集中的に中枢港湾に投資し、国の責任で港湾政策を展開した」と比較した。

 港湾での荷役の自動化やロボットの導入についても「正直に言って、残念ながら日本の港湾は世界的にみても進んでいるとは言えない」と指摘。「港湾を担当する国土交通省と連携しながら、効率化も進める必要がある」と話していた。ドイツは世界でも有数の自動化が進んだハンブルグ港を抱えるだけに、日本の港湾に学ぶことが多そうだ。

 ドイツ連邦議会の独日議員連盟訪問団はミュラー独日議員連盟会長、レンツ副会長、グルンドル副会長、フェースト副会長とボルマン氏の5人。それぞれ政党の異なる5人の議員が来日。神戸では久元市長を訪ねて神戸市役所に足を運んだほか、液化水素の輸入受け入れ基地の実証プラントを視察。ベーリンガーインゲルハイムなど独社も進出している神戸医療産業都市にも足を運んだという。(写真は記念撮影する独訪問団と久元神戸市長ら)

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