シスメックス、血液凝固検査の機器を全世界で自社販売 10年後2000億円に

【神戸経済ニュース】血液検査機器の世界大手であるシスメックス(6869)は8日、血液凝固分野の検査機器を全世界で自社販売できるようになったと発表した。1995年から同分野で世界的な販売提携を結ぶ独シーメンスの医療機器部門「シーメンスヘルシニアーズ」との間で、両者がそれぞれ地域ごとに販売を担当する方式を見直した。シスメックスは検査機器をシーメンスに、同社は検査試薬をシスメックスにOEM(相手先ブランドによる生産)で供給するよう数年かけて順次切り替える。

 血液凝固分野では当初シスメックスの製品としては検査機器しかなく、シーメンスは検査試薬しかなかったことから、製品の相互供給を開始した。ただ、ここにきてシスメックスは血液凝固分野の検査について、生活習慣病の予防や新たな血液製剤の開発ど応用範囲が広く、さらに検査技術の向上などもあって市場が拡大するとみている。新型コロナウイルス感染症の重症化予測でも使われた。そうした中で「シーメンスのパフォーマンスが上がらないという当社の不満があった」(立花健治・取締役専務執行役員)。

 今後は製品を相互にOEM供給することで、シスメックスもシーメンスも全世界で自社ブランドの検査機器と検査試薬を販売することになる。血液凝固の分野で両者はあわせて30〜35%を握るトップシェアとみている。22年3月期の売上高は約620億円だった。これを10年後の2033年ごろには市場全体の成長も織り込み、シスメックス単独で世界シェア35%、売上高2000億円規模をめざす。

 シスメックスはシーメンスに対し、「両社で競争するというよりも、他社をさらにどう攻略するかに注力しようと言っている」(立花氏)と述べ、これが提携内容を見直す際の切り口になったと明かした。1月ごろから両社で協議を始め、2月28日に「グローバルOEM契約」を結ぶことができたという。契約期間は38年2月末までとした。シスメックスは8日夕方にアナリストや報道機関を対象に説明会を開いた。

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