久保上組会長が名誉相談役に、6月の株主総会で 統治強化で4月に機構改革

【神戸経済ニュース】港湾運送大手の上組(9364)は10日、久保昌三会長(80)が6月下旬の株主総会で取締役を退任し、名誉相談役に就任する人事を発表した。4月1日からは会長から取締役に転じ、株主総会で再任されない意向という。95年6月に取締役、04年から8年間社長、のちに会長と、30年近く上組の経営陣として舵取りに携わった「顔役」が経営の第一線から退く。

 久保氏は経営者として自社でのコンテナターミナル運営や、海外進出を積極化。港湾運送での国内首位を固めたうえで、総合物流サービスを展開した。2009年から業界団体の日本港運協会の会長も務める。久保氏が取締役を退任した後は、深井義博社長が取締役会の議長を務める。

 上組は4月1日に経営と執行の分離を強化することなどを目的とした機構改革を実施。取締役の人数を減らすほか、執行役員の役割を一段と明確にして、意思決定の迅速化などもねらう。持続的な企業価値向上に向けて、4月1日からは新たな体制で事業を展開する方針だ。久保氏は非常勤の名誉相談役になることで、知識や経験を生かした助言などに徹する。

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