キムラタン、子会社「中西」を譲渡に方針転換 保育園は無償で事業譲渡

【神戸経済ニュース】ベビー・子供用品と不動産を手がけるキムラタン(8107)は30日、大幅な事業縮小を予定していた、ベビー・子供向けの服飾雑貨を製造・卸売りする子会社「中西」を譲渡することになったと発表した。事業縮小の方針を転換し、靴下を製造する「キャプテン・ユー」(大阪市北区)に全株式を1円で売却する。加えて中西に対して1億6400万円の債権放棄を実施する。13日に中西の事業縮小を発表したところ、キャプテン・ユーの金村雄仁社長から中西の事業を引き継ぎたいとの申し出があったという。

 キャプテン・ユーの主力製品は紳士・婦人向けで中西が得意とするベビー・子供向けは少なく、販路もほとんど重複していない。このためキャプテン・ユーは、事業を引き継ぐことで品ぞろえ強化などの相乗効果が出ると判断した。一方でキムラタンも、中西の事業縮小に伴って発生する損失が軽減されるメリットが大きいうえ、同じ靴下をあつかう企業のノウハウを導入して事業が継続されることが望ましいと判断した。売却価格の1円は、中西が足元で債務超過になったことなどを勘案して決めた。

 同時に「キムラタン保育園」を運営する保育事業を、病院内の保育サービスや保育士派遣、保育園の運営などを手掛ける「パワフルケア」(大阪府高槻市)に譲渡すると発表した。22年3月期に保育事業は900万円の営業赤字を計上していた。保育園の園児数は変動があり、つねに定員を維持できないため、保育園1カ所だけの運営では機動的な保育士の配置換えによる採算維持が難しいと判断。保育園数の増加にメリットがある運営会社への譲渡が適切と判断した。企業主導型保育事業の規定なども勘案し、無償譲渡とした。譲渡の対象になる負債はない。

 中西の株式譲渡は2月1日の予定。保育事業は企業主導型保育事業の手続きに従って事業譲渡し、譲渡完了は4月1日を予定する。譲渡後に保育園名を変更するという。中西の譲渡に伴い発生する損失は23年3月期に計上する予定だが、具体的な金額は現在「精査中」という。保育園の譲渡に伴う業績への影響は軽微とみている。

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