橋本川重社長、来期「全社で増収増益に」 水素事業の30年規模は上方修正

20200213川重橋本氏

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)の橋本康彦社長(写真=資料)は6日に開いた事業説明会で、2024年3月期の業績について、今期予想比で「全社では増収増益を見込んでいる」との見通しを示した。足元で多くの利益を計上している北米向けのオフロード4輪は、市場拡大の鈍化と販促費の増加で減益を見込むが、これを航空宇宙分野の利益の復調で補う。さらにロボットや鉄道車両など他分野の増益で、今期に比べて利益を上積みできるという。

 橋本社長は、来期については具体的な数字には言及しなかった。今期は全社の事業利益(およそ償却前の営業利益、国際会計基準)を前期比2.5倍の760億円と見込む。このうちオフロード4輪を含む事業部門(セグメント)である「モーターサイクル&エンジン」は、円安の追い風も受けて49%増の560億円になる見通し。同セグメントは4輪事業の拡大を受けて、セグメント名を「パワースポーツ&エンジン」に変更する。一方で新型コロナウイルス感染拡大が打撃になった「航空宇宙システム」分野は3期ぶりの黒字になる見通しを、かねて示していた。

 水素については25年度の事業規模が520億円、30年度は4000億円との見通しを示した。昨年時点では25年に1000億円超、30年に3000億円との見通しを示していたが、30年の事業規模を上方修正した。関西電力(9503)が姫路市に輸入水素の受け入れ拠点形成を表明するなど「ファーストムーバー(先導者)の動きを盛り込んで、より精緻(せいち)な計画になってきた」(橋本氏)ためという。25年の事業規模については、事業の進捗が「半年少し遅れた」といい、26年度の事業規模が1300億円になる見通しだという。

 このほか説明会では、全地球測位システム(GPS)の電波が届かない屋内でも、無線LAN(Wi-Fi)を活用して人や物の位置を測定する新サービス「iPNT-K(アイピントケー)」を紹介。21年のサービス開始以来、600件の引き合いがあったことを明らかにし、屋内位置情報サービスの市場が年々拡大していることを示した。

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