シスメックス、今期純利益16%増に上方修正 中国都市封鎖の影響後退・円安も

20221110シスメックス

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)は9日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比16%増の510億円になりそうだと発表した。従来予想の500億円から上方修正した。4〜6月期に大きかった中国・上海での新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)の影響が後退するうえ、中国以外の世界各地での販売数量増も寄与。円安進行も追い風になる。年間配当は80円(うち中間40円)に増額。従来予定は76円(うち37円)とした。

 売上高は15%増の4200億円、営業利益は14%増の770億円を見込む。従来予想は4100億円、760億円だった。都市封鎖の影響で落ち込んだ中国での検査試薬の販売数量が回復することで、売上高は過去最高。粗利の計上も増える。さらに半導体の価格高騰も足元で一服しており、10月以降の原価率は4〜9月期に比べて2.9ポイント低下する。販管費の円安が逆風になる部分も抑制し、利益を積み増す見通しだ。

 業績予想の前提とした為替レートは通期平均で1ドル=139円50銭(10月以降で145円)、1ユーロ=140円40銭(10月以降で142円)とした。従来予想の通期1ドル=120円、1ユーロ=130円から円安方向に見直した。

 同時に示した2022年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比9%増の239億円だった。円安を追い風に増収増益だったが、中国でのロックダウンの影響を中心として、従来の会社予想である250億円には届かなかった。売上高は15%増の1940億円、営業利益は微減の331億円だった。

 国内展開している手術支援ロボット「ヒノトリ」を販売するメディカルロボット事業は7〜9月期に新たに7台が顧客のもとで稼働。累計で28台を医療機関に導入した。4〜9月期の同事業の売上高は12億6000万円だった。6月に想定していた婦人科・消化器外科への適応拡大が10月にずれ込んだことなどから、年間の導入目標を35台と当初の45台から引き下げた。

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