赤沢神栄社長、円急落「労力を考えると絶対マイナス」 価格交渉は数字に表れず…

20211214赤沢神栄社長

【神戸経済ニュース】商社である神栄(3004)の赤沢秀朗社長(写真=資料)は、外国為替市場で円相場が急速に下落したことについて「営業員の労力を考えたら絶対にマイナス」との見方を示した。円相場の変動に合わせた「価格の折衝で大変な目にあっている」という。赤沢社長は10月31日に開いた2022年4〜9月期決算発表の記者会見で、円安の影響に関する記者の質問に答えて述べた。

 輸入品の国内販売が多い食品部門などでは、円相場が1ドル=125円まで下落すれば「130円ぐらいを見越して値上げを要請してきた」という。しかし1ドル=130円に対応した「値上げができたと思ったら、もう135円まで円安が進んでいる、といった具合だった」と円安進行の速さについて、ぼやいていた。「それが150円近くまで続いたわけだから……」

 比較的値上げが通りやすい地合いとはいえ、値上げ交渉はいつでも厳しい。「値上げは認めるが3カ月後から、と言われることもあり、その辺はすべて交渉ごと」だと赤沢氏は説明する。営業担当者は値上げ交渉にかかり切りになり、その労力を考えると「経営には絶対マイナス」。だが「そうした労力は数字に表れないので、どのように説明したらよいか」と語った。

 同社全体の業績への影響としては、22年4〜9月期に、営業外収益として為替差益を1億5400万円計上。これは輸入部門で、円安進行を見越した為替ヘッジが寄与した分だという。ただ、これですべての円安を補えたわけではなく、一方で物資関連や電子部品など輸出部門もある。このため「会社全体として為替がどう影響するか、というのは一概に言いにくい」と説明していた。

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