斎藤兵庫知事「創造的復興のサミット」25年に 久元神戸市長「防災も進化を」

20221022パネル

【神戸経済ニュース】兵庫県の斎藤元彦知事(写真左)は、22日に神戸市で開催した第7回防災推進国民大会「ハイレベルセッション」のパネル討論で、「2025年の万博(大阪市で開く国際博覧会、大阪・関西万博)のときに、兵庫県がHAT神戸の地で創造的復興、災害リスク軽減といった国際的な『サミット』を開かせていただいて、阪神淡路大震災から30年の節目に兵庫の取り組みをぜひ発信したい」と述べた。HAT神戸は震災経験の学習施設「人と防災未来センター」(神戸市中央区)があり、今回の防災国大の開催地。斎藤知事は震災30年を機に、復興の取り組みについて何らかの形で発信したい意向をかねて示していた。

 斎藤氏は、阪神淡路大震災の被災後に当時の貝原俊民知事が掲げた理念で、震災後は単に元に戻すだけでなく、よりよい社会をめざす「創造的復興」が、東日本大震災や熊本地震でも取り入れられたと説明。さらに「国連における防災の理念でも build back better(よりよい復興)と英語に訳され、いまは世界に通じる普遍的な概念として生かされている」とも話していた。加えて「貧困や格差といった社会課題は災害時に顕在化しやすく、日ごろから取り組むことが創造的復興を早めることになる」とも主張した。

 神戸市の久元喜造市長(写真右)はパネル討論で、硬直化した行政組織では防災への取り組みが難しいと指摘。「努力して防潮堤を作ったところは『大丈夫です、もう安全』と言いたいが、一方で防災を担当しているところは『危ないです』という。こういうタテ割りでは市民は混乱する」と話す。「科学的データに基づいて危ないところは危ない、大丈夫なところは大丈夫という統合されたメッセージが必要」との認識を示した。防災は「自然を相手にした戦いで『わからない』が前提になるが、分かるようにするため科学技術を不断に進化させることも考えるべきではないか」とも話した。

 このほかテレビ会議システムを通じて出席した国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連防災機関長の水鳥真美氏が、各国を巡った経験から「貧困こそが最大の災害リスク」と強調した。コープこうべの中川寿子常務理事、兵庫県立大の阪本真由美教授もパネル討論に出席した。司会は時事通信社の中川和之解説委員が務めた。

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