(解説)神戸市、SDGs債としては初の20年債 厳しめ相場環境も需要188億円

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【神戸経済ニュース】神戸市が7日に起債した20年物の公募地方債は、神戸市が全銘柄を「SDGs債」と位置付けた2021年度以来、初めての20年債になった。このところの債券相場の値動きの荒さから投資家は様子見に傾きやすく、発行環境としては厳しめの中でも188億円の需要を集めた。今回債の購入をきっかけに、新たに投資表明した投資家も地元の事業会社や地銀、系統金融機関の下部組織、自治体など23件と多かった。

 神戸市は8月5日の時点で、10月上旬に200億円の20年債を起債する方針を債券市場に告知していた。ただ、その後は債券相場の変動率(ボラティリティー)が上昇。海外の債券相場の下落に日本国債もつれ安する可能性や、急速な円安を背景に日銀が金融緩和の規模を縮小するなどの見立てもあり、新発債に対する投資家の様子見姿勢が強まった。このため今回債の需要調査の中では、条件決定の2日前である5日に発行額100億円を提示した。

 ただ、20年物国債181回債に対する上乗せ幅(スプレッド)が0.09%、償還日の違いを考慮した実質的な対国債のスプレッドが0.08%という仮条件で需要調査を進める中で、超過需要があると判断。前日6日に増額に踏み切り、同日中に188億円の需要を確保した。当初見込んだ200億円に届かなかったとはいえ、値動きが荒くなりやすい超長期債で188億円を調達したことについて、神戸市としても「この環境下では、やり切った」とみている。

 神戸市は21年度から、神戸市の中期計画「神戸2025ビジョン」について格付け投資情報センター(R&I)による第3者評価を取得。「神戸2025ビジョン」の取り組みに賛同し、投資を表明した投資家を神戸市のホームページなどで公表している。今回新たに投資表明したのは、子供服のF・O・インターナショナル(神戸市中央区)や京都銀行(8369)のほか丹波市、長崎市、長浜市(滋賀県)、千葉県、福岡県など。

 神戸市が22年度に発行する超長期債の主幹事は、大和証券(事務)、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、野村証券の3社が共同で務めている。

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