川重、水素発電でNOx排出量を半減 「ドライ方式」で混焼も・神戸の実証施設で

20200721川重H2発電プラント

【神戸経済ニュース】川崎重工業(7012)は29日、国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業」の一環で、水素発電に使うガスタービンの燃焼時に発生する有害な窒素酸化物(NOx)排出量を、従来比で半減させたと発表した。排出量率は2020年に、大気汚染防止法の規制値である100万分の70まで到達していたが、「ドライ方式燃焼機」を改良することで100万分の35まで抑えることができた。神戸市中央区・ポートアイランドの水素コージェネレーションシステム(CGS)実証プラント(写真=川重提供)で実証した。

 水素はエネルギーとして活用する際に温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)を排出しないため、次世代エネルギーの最有力候補の1つとされている。ただ、燃焼する際に高温になると空気中の窒素(N)を巻き込み、NOxが発生する欠点がある。これを水素の吹き出し口を細くして、勢いよく噴射することで克服したのが「ドライ方式燃焼機」だ。川重は今回、さらに吹き出し口の形状を改良。そのうえで燃料の一部を燃焼機の途中から噴射する独自技術「追いだきバーナー」を取り付けることで、NOxの発生が抑えられたという。

 この仕組みで、低負荷の運転から定格出力(1710キロワット)での運転まで、すべての場合で100万分の35以下の排出量率を達成。NOxを無害化するための脱硝装置などを取り付けずに、水素発電用のガスタービンを導入できる地域を拡大させるうえで有効な結果になった。さらに水素が大量導入されるまでの過渡期に想定される、水素・天然ガスの混合燃料での燃焼試験にも成功。NOxの排出抑制と、混合燃料での燃焼を両立させたことで、今後の普及期に長く使えるガスタービンの生産にもつながる技術開発になった。

 川重は引き続き、この実証実験によって「追いだきバーナー」が付いた水素ガスタービンの製品化に向けた検証を進める。22年度末までには、今回の成果を活用した水素ガスタービンによる近隣施設への熱電併給を、実証事業として実施したい考えだ。

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