川重、今期純利益2.5倍に上方修正 前提レート円安に見直し・4〜6月期は減益

20220812川重

【神戸経済ニュース】機械大手の川崎重工業(7012)は12日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期の2.5倍である320億円になりそうだと発表した。従来予想の290億円から引き上げ、増益幅が拡大する見通しになった。外国為替市場で円安が進んだのを受けて、予想の前提になる為替レートを1ドル125円と、従来の120円から円安・ドル高方向に見直した。このため収入、利益とも従来に比べて増加する見通しになった。

 売上高に相当する売上収益は前期比13%増の1兆6900億円、おおよそ償却前の営業利益に当たる事業利益は84%増の560億円を見込む。従来予想は1兆6800億円、530億円だった。4〜6月期の実績では為替レートを売上高で加重平均すると1ドル=124円76銭になった。これに合わせて7月以降の予想では平均125円を前提にした。円相場が1ドルあたり1円の円安が進むと、事業利益が16億9000万円増える計算になるという。円安の恩恵で、原材料高やエネルギー高など各種のコストを吸収する見通しだ。

 これに合わせて年間配当を前期比10円増の50円と、通期では従来の予定を維持したまま、中間配当を30円(前年同期は20円)と従来予定の25円から引き上げる。期末配当を25円から20円(前年同期も20円)に引き下げた。円安の追い風で足元の純利益が増加したのを受けて、中間配当を引き上げた。ただ新型コロナウイルスや国際紛争などの社会情勢不安や、原燃料高・運賃高、外為相場などが急変する懸念があるとして、年間配当額は据え置いた。

20220812川重セグメント

 同時に発表した2022年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比52%減の54億円だった。2輪者などの「モーターサイクル&エンジン」を中心に原材料価格の上昇や物流費の増加などが響いた。加えて販管費に計上した、デジタルトランスフォーメーション(DX、事業のデジタル化)に関する費用や新規事業の関連費用も膨らんだ。金融収益として70億円の為替差益を計上したが、補えなかった。売上収益は1%減の3503億円、事業利益は75%減の45億円だった。

 川重は今期から国際会計基準を適用しており、比較に使った前年同期の業績は国際会計基準を適用したうえで比較したとしている。

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