(動画)TOAと三木市が包括連携協定 音声使った交通安全の実証実験も



【神戸経済ニュース】放送音響機器のTOA(6809)と三木市は9日、音響を中心としたデジタル技術の活用や行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を柱とした包括連携協定を結んだ。三木市役所で同日、締結式を開いて仲田一彦市長とTOAの早川宏取締役が互いに協定の内容を確認した。TOAが自治体と連携協定を結ぶのは、神戸市、青森県深浦町に続いて3カ所目。今秋からは連携協定の一環で、三木市とTOAにアシックス(7936)を加えた3者で、子供の交通安全に関する実証実験も予定する。

 実証実験は、センサーが付いた靴を履いた子供が交差点に近づくと、自転車や自動車に告知音などで知らせて子供たちの安全を確保できるか検証するもの。「駐車場の出口などでは回転灯や警告音で周囲に自動車の動きを知らせて歩行者に注意を促すが、その逆の発想で、歩行者の動きを自動車などに知らせようとするもの」(三木市の担当者)という。センサーと感知機はアシックスが開発し、告知する機器や音声をTOAが開発する。まず小学校低学年100人程度の子供を対象に、2カ所の交差点で実施することで調整中という。

 9日の締結式では、実証実験に使う機材のデモも実施した(動画)。子供たちが近づいた時の告知音も披露。ゴルフ場が多い三木市にちなんで、ゴルフクラブにボールが当たる音や、ボールがカップに入る音、さらに「金物の町」にちなんで金属を鍛(たん)造する際の音などを組み合わせて作った警告音に、アナウンスを追加するなど4種類のパターンを示した。多くのパターンを収録することで、漫然と音声が流れるだけになるのを防ぐ。この実証実験は内閣府のデジタル田園都市国家構想の交付金を受けて実施する。

 仲田市長は今回の連携協定を巡って、「音の可能性には大きな魅力を感じている」と話す。今秋からの実証実験にとどまらず、「連携のもとにアライグマやイノシシなどの農作物の被害を解消する方策ができれば、全国的な課題の解決にもつながる」と期待を語った。TOAの早川取締役は、地域の魅力を発掘する観点で、「観光誘致なども音の活用によってできるのではないか」「高齢者の見守りなどに加え、地域資源を生かした体験コンテンツなどにもつなげていきたい」と幅広い展開が視野にあることを説明していた。

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