日銀の竜田神戸支店長が就任「神戸に縁を感じる」 震災後BCP担当・記者会見
- 2022/08/02
- 02:43
【神戸経済ニュース】25日付で就任した日銀の竜田博之・神戸支店長(53、写真右)は1日に記者会見し、「神戸に来たのは縁だと感じている」と話した。1995年に発生した阪神淡路大震災の直後に、本店で神戸支店の業務が継続できるよう支援を担当。この経験に加え、これまで約30年の日銀勤務のうち15年は業務継続計画(BCP)の担当だったからだ。それに神戸は学生時代に訪れてから好きになり、何度も足を運んだ土地だ。1年後輩の山崎真人前支店長(写真左)のことは、冗談混じりに「早く変わってくれないかなと思っていた」が、本当に交代することになってしまった。
現在の日銀の業務継続体制は「基本的なところは自分が作ったという自負がある」という。11年3月の東日本大震災では休暇を返上し、発生直後から10日間、帰宅もできず本店の対策本部に詰めた。「日銀の中で私の名前を出すと、年配の方はだいたい『業務継続だけやってた人』みたいに思われる」とも。だが支店長は18年6月から約2年間務めた下関支店に次いで2カ所目だ。日銀神戸支店が、兵庫県の経済情報を発信する拠点として機能するよう、準備にも余念がない。
兵庫県全体については、これまで「姫路にも行っていなければ、日本海側にも行っていない」と話していた。新型コロナウイルスによる行動制限が解除されたこともあり、「行けるところは楽しみながら」足を運びたい考えだ。本店金融機構局の上席考査役に異動した山崎真人・前神戸支店長は後輩だが「1年違いということもあり、よく知っている」と語る。互いに立場が対立する部署にいたときは「両者が納得できる解決策を示してくれて、何度も助けられた」と明かした。「話しやすい後輩」とあって、引き継ぎも円滑のようだ。
記者会見に同席した山崎前支店長は約1年2カ月の神戸勤務を通じて、改めて「兵庫県の製造業の懐(ふところ)の深さ、柔軟さを印象付けられた」という。デジタル化や、二酸化炭素の排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)といった、「世界の経済が求める大きな流れの中で、新たな技術を社会実装に結びつけるポテンシャルのある企業はたくさんある」と指摘。「少しずつ変わりながら前に進んでいくことができる土地柄であるとも感じた」と、これからの兵庫・神戸の経済への期待を語った。
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