関西エアポートの前期、2期連続の最終赤字 神戸空港は2期ぶり黒字

20220613山谷社長

【神戸経済ニュース】関西国際空港、大阪国際(伊丹)空港に加え、子会社を通じて神戸空港を運営する関西エアポートが13日に発表した2022年3月期(21年度)の連結決算は、最終損益が302億円の赤字(前の期は345億円の赤字)と、2期連続の最終赤字を計上した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた入国制限が長引き、国際線の着陸回数が低迷、国内線の回復も小幅にとどまった。貨物便は前の期に続いて過去最高の便数を記録したが、補えなかった。

 売上高に相当する営業収益は前の期比16%増の664億円、営業損益は332億円の赤字(前年同期は428億円の赤字)になった。3空港で合計した航空機の発着回数は28%増の20万7000回、航空旅客数は39%増の1288万人とやや増加した。前の期に比べると国内便で航空需要が回復したのが寄与し、赤字幅も縮小するなど収支は改善した。ただ新型コロナ感染拡大前の20年3月期に比べると、航空需要の回復は限定的。特に21年5〜6月の旅客数は19年の同月比で3空港とも2割〜3割台に落ち込んだ。

 記者会見した関西エアポートの山谷佳之社長(写真)は、収益の低迷について「主力である国際線の旅客数がたいへん滞ってしまっている」ことが最も大きな要因だと指摘した。国際線が回復するなか「通期で見ると(19年度比の旅客数は)ほぼ1%で、20年度の決算と同様の水準で、関西国際空港においては国際線旅客の数がほとんど回復していないのが大きく響いた」と説明した。コロナ前は3空港合計の旅客数の7割を国際線が占めていた。

 連結決算の内訳として開示した神戸空港の運営会社である関西エアポート神戸の業績は、最終損益が2億円の黒字(前の期は2億円の赤字)と2期ぶりに黒字を回復した。年間の旅客数は前の期比44%増の175万人と増加したのが寄与した。スカイマークなどの羽田便の利用率が上昇。フジドリームエアラインズが新潟便を新規就航したほか、松本便を1日2往復に増便したことなどが寄与した。営業収益は17%増の21億円になった。

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