上組の前期、純利益16%増 中期計画の目標上げ・配当性向40%に

20220515上組

【神戸経済ニュース】港湾運送大手の上組(9364)が13日に発表した2022年3月期の連結決算は、純利益が前の期比16%増の208億円だった。過去最高を更新。横浜市中区の南本牧ふ頭に完成した穀物を取り扱う新倉庫が寄与するなど、取扱貨物の増加による増収効果が増益につながった。国際運送では、海外発電設備などプロジェクト貨物(特殊貨物)の海上輸送などが堅調だった。売上高に相当する営業収益は9%増の2616億円、営業利益は17%増の285億円だった。

 年間配当金は前の期に比べ23円増配の73円(うち中間27円)とした。期末配当を従来予定の30円から46円に引き上げた。従来は30%としていた配当性向の目安を、40%に引き上げることに伴う増配。自社株買いも含めた総還元性向は90%を目安として、株主に利益配分する方針を13日にあわせて表明した。

 同時に示した23年3月期の連結業績予想は、純利益が前期比5%増の220億円になる見通し。取り扱う貨物量の回復が続く。営業収益は3%増の2700億円、営業利益は3%増の295億円を見込む。年間配当金は前期比5円増配の78円(うち中間39円)を予定する。

 さらに25年3月期を最終年度とする中期計画で目標とした営業収益を、22年3月期に比べて18%増の3100億円、営業利益は16%増の330億円に引き上げるとも発表した。従来の目標は2800億円、300億円だった。当初は新型コロナウイルスの影響を考慮し、控え目に目標を設定していたという。足元の荷動きや業績を勘案し、通常の成長ペースが取り戻せると判断した。

 負債を活用した積極的な投資の推進と、株主への利益還元が今回の中期計画の柱という。25年3月期までの3年間で増額720億円規模の投資を実行したい考えだ。年間ベースで従来の2倍の規模になる。資本効率を勘案した経営を進め、25年3月期の自己資本利益率(ROE)は6.5%、長期的には7%台をめざす。

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