シスメックス、今期純利益13%増に 上海「港を変えて対応」ヒノトリ45台計画

20220512シスメックス

【神戸経済ニュース】医療用検査機器のシスメックス(6869)は12日、2023年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比13%増の500億円になりそうだと発表した。最高益を更新する。新型コロナウイルスの感染拡大の一服で通常の医療が再開される中、血液検査を中心とした世界的な検査需要の回復が追い風になる。血液検査の新製品「XRシリーズ」を欧州など海外向けに本格展開することもあり、増収効果で増益になる見通し。

 売上高は13%増の4100億円、営業利益は13%増の760億円を見込む。新型コロナで抑制していた営業活動を再開するほか、研究開発投資、世界的な薬事申請、デジタル化投資などを増やすのと同時に、コスト削減も進めて高い増益率を確保する。円相場は対ドルで120円、対ユーロで130円を想定。前期(112.4円、130円)から対ドルでの円安進行を受けて、北米や中国・新興国での円安メリットの恩恵も受ける見通し。売上高、営業利益も過去最高を予想する。

 年間配当金は80円(うち中間40円)と、前期比4円の増配を計画する。

 川崎重工業(7012)との共同出資会社「メディカロイド」で展開する国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」は、国内で年間45台の販売を計画。前期の販売実績は12台だったが、婦人科分野や消化器科分野への適応拡大もあり、販売が伸びると見込む。海外展開は24年3月期からとの計画に変更はないという。

 新型コロナを受けた中国・上海の都市封鎖(ロックダウン)については、中国向けに輸出する検査機器や機器部品などの輸送ルートを変更。従来は主に上海港で荷揚げしていたが「港を変えるという展開で対応している」(家次恒会長兼社長)という。納期などについて「お客さまに迷惑をかけることがない体制がある」としている。

 同時に発表した22年3月期の連結決算は、純利益が前の期比38%増の440億円だった。検査需要の回復に加え、各国政府が医療インフラを強化する動きが追い風。代理店経由ではなく、現地法人が直販する国・地域が増えたのも寄与した。売上高は19%増の3637億円、営業利益は35%増の674億円だった。

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