(動画)生鮮品など輸送力を強化、宮崎カーフェリー「たかちほ」が就航



【神戸経済ニュース】宮崎カーフェリー(宮崎市)が15日に就航させた新造船「たかちほ」は、宮崎県から近畿地方に肉や魚、野菜などの生鮮品を多く運ぶのを念頭に、輸送力を強化した。船体が一段と大きくなり、積載できるトラックの台数が増えたうえ、冷凍冷蔵車が使う電源も増やした。トラックドライバー向けの客室はすべて個室化し、乗船中は運転手がゆっくり休めるようにしたのも特徴だ。大きな船体で神戸港でも存在感がある宮崎カーフェリーの新船登場に、関心が高まりそうだ。

 「たかちほ」は全長は194メートル、幅は27.6メートル、総トン数は1万4006トンと、従来の「みやざきエキスプレス」に比べ、さらに約20%大型化した。長さ12メートルある大型トラックの積載台数は163台と、33台増えた。冷凍冷蔵車が使う電源も130台分と、これまでより約30台分増やした。従来と同じ船員数で多くの台数を取り扱うため、駐車した自動車を短時間で船体に固定するための仕組み「オートラッシング」を採用した。

 自動車は、トラック用車室がある1階につながるランプウェーで乗降するほか、2階にも乗降口を取り付けた。現行船「こうべエキスプレス」に代わる新造船「ろっこう」が就航する秋ごろには、神戸三宮フェリーターミナル(神戸市中央区)に、新たな乗降口の整備が完了する予定。2階の乗降口と1階ランプウェーの両方が使えるようになり、より短時間でトラックの積み下ろしができるようになる。

 一方、船体は大型化したにもかかわらず、旅客定員は690人から578人に減った。従来は2等や2等寝台が中心だった客室仕様を改め、室内に浴室も備えた特等室(プレミアムトリプルなど)を増やしたためだ。トラックドライバーの個室も110室を備える。従来船と同様にドライバー専用のレストラン、大浴場なども備え、ドライバーは観光客と接触せずに過ごすことができる仕様は維持した。昔ながらの「ざこ寝」と呼ばれる2等室(ツーリスト)は30席と、従来の172席から大幅に減らした。

 営業運航を開始する前の14日に、宮崎カーフェリーは神戸港で「たかちほ」を関係者や報道機関などに公開。トラックドライバーの不足を背景に、中長距離のフェリーを見直す動きが広がりつつあるなか、多くの来場者でにぎわっていた。宮崎カーフェリーにとっては10月に投入する「ろっこう」と合わせて2隻で約170億円と巨額の投資だ。このうち40億円を宮崎県、5億円を宮崎市が拠出。新船投入を機会に、特に宮崎県側で貨物輸送と観光の両面が活性化することへの期待が高まっている。

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