三宮再開発 新JR駅ビル、地下〜10階が店舗に・ホテル250室 29年度開業へ
- 2022/03/30
- 16:21
【神戸経済ニュース】JR西日本(9021)、神戸市、都市再生機構は30日、新築を予定してるJR三ノ宮駅ビルの具体的な計画概要を発表した(1枚目のイメージ図=JR西日本提供)。高さ約160メートルになることは示していたが、これを地下2階、地上32階、塔屋2階で構成する。延べ床面積およそ10万平方メートルのうち、店舗は地下1階〜地上10階に約1万6000平方メートル、オフィスの賃貸面積は約6000平方メートル、ホテルの客室数は約250室にする。乗り換え動線の円滑化などを目的に、公共スペースなどを広く取るのが特徴だ。
外観のデザインは「上品で優美、洗練された都市を表現する」(JR西日本・創造本部拠点開発グループの家治川卓也課長)ことを念頭に、建物全体に白いルーバー(縦の羽板)を配置するほか、最も目立つ南西の角には大胆な曲線を取り入れた。これで「ドレスをまとったような優美なデザイン」(家治川課長)をイメージしているという。1階ではガラスや吹き抜けを効果的に使い、三宮交差点の車線を減らしてできる広場「三宮クロススクエア」との一体感が出るようにする(2枚目のイメージ図=JR西日本提供)。
建物全体のうち、低層部の屋上はオフィス階の最下階に当たる12階。そこから17階までをオフィスと想定。ホテルは18〜30階を計画している。31階は最上階のレストランだ。地下2階は荷さばき場、11階と32階は機械室になる。低層階の商業施設は百貨店を誘致するのか、自社ブランドのショッピングセンターにするのかなどは未定。ホテルはJRグループで運営することを決めているが、ブランドやランクなどは今後検討する。
公共空間としては、ビルの地下1階から3階にかけて傾斜が続く、大きな階段を伴った吹き抜けを作るのが特徴だ。地下鉄や阪神など地下に駅がある鉄道と、高架の阪急とJR線、最も高い4階にあるにあるポートライナーをつないで、円滑に乗り換えられるようにする。駅と駅の間を歩く距離が短くなるのと同時に、駅ビルの新築でバリアフリー性能を高めることができるのも特徴だ。ビル間を結ぶデッキの新設も決まっているほか、地下街との連携で、より多くの人が円滑に乗り換えられる動線づくりをめざす。
2022年度に都市計画決定を予定。23年度に着工し、29年度に完成をめざす。完成するころには中央区役所跡地などに整備するバスターミナル計画も第2期(2棟目)の完成を間近に控える。三宮クロススクエアは神戸阪急とJR三ノ宮駅ビルの間が6車線と現在よりも4車線減っている時期になる。「南北にも東西にも、道路で街が分断されている印象がなくなり、歩行者がスムーズに移動できる都市になる見通し」(神戸市都市局の本田一浩・都心交通担当課長)という。
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