モロゾフ、今期税引き益28%増に 増収も原材料・資材の価格上昇が逆風

20220317モロゾフ

【神戸経済ニュース】洋菓子大手のモロゾフ(2217)は16日、2023年1月期の単独税引き利益が前期比28%増の13億円になりそうだと発表した。営業利益は前期をわずかに下回るが、前期に特別損失として計上した非連結子会社「鎌倉ニュージャーマン」株式の評価損3億1100万円がなくなる。単価が高い新製品群の強化などで増収を見込む一方で、原材料や包装資材などの価格上昇が逆風。生産性向上やコスト削減などで可能な限り吸収したい考えだ。

 売上高は12%増の304億円、営業利益は微減の20億円を見込む。今期から収益認識に関する新会計基準を適用する影響で、売上高が増える。前期にも同基準を適用して試算すると、今期予想の売上高の実質的な伸び率は3%になる。新型コロナウイルス感染拡大の影響は受けるとみるが、ワクチン接種などの対策で前期ほど大きくならないと想定。増収ながら原材料価格に加え人件費、運送費も上昇する見通しで、営業利益が伸びない見通しだ。

 大阪市内で16日に記者会見した山口信二社長は、今期の業績予想に「値上げは織り込んでいない」という。同社は原料の仕入れから製造・製品販売までの時間差が平均で半年ぐらいあることから、これから原材料価格が上昇する影響が大きくなる。だが山口社長は値上げによる需要減を警戒。「曜日によって稼働率に違いが出やすい生菓子専用の工場で、一部を(日もちする)焼き菓子のラインと入れ替えて稼働率を上げるなど、できるだけコストを吸収する努力をしたい」と話していた。

 年間配当金は45円(中間なし)を予定する。2月1日に1株を2株に分割する株式分割を実施したことから、前期の年間配当である90円から、実質据え置きにする。

 同時に発表した22年1月期の単独決算は、税引き利益が前の期比2.9倍の10億2800万円だった。販売数量がやや回復した増収効果に加え、生産の効率化、店舗人員の最適化、ロス削減などによるコスト削減に加え、新ブランド「ガレットオブール」による店舗の生産性改善などが寄与した。売上高は6%増の272億円、営業利益は2.7倍の20億円だった。

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