(動画)名品・珍品も?「さかずき」1600個から展示 菊正宗が新たに展示施設



【神戸経済ニュース】酒造大手の菊正宗酒造(神戸市東灘区)は10日、新たな展示施設「盃(さかずき)展示館」を報道機関などに公開した。同社が保有する約1600個のさかずきから選りすぐりの品を展示する。同社としては菊正宗酒造資料館、菊正宗樽酒マイスターファクトリーに続く3棟目の展示施設。コレクションの中には明治・大正期に作られた貴重なさかずきも。嘉納治郎衛門社長は「日本酒に特化した施設の融合で、日本酒の多面的な魅力を感じてほしい」と話す。4月上旬にオープンの予定だ。

 さかずきのコレクションは、およそ7割が戦前〜戦後の社員で同社の300年史を編さんした正井達次郎氏が在職中に購入して、会社に残したもの。残りのほとんどは昭和時代の元専務である森太郎氏が収集したという。長い間、同社の倉庫に眠っていたが、市之倉さかづき美術館(岐阜県多治見市)の七代・加藤幸兵衛館長にコレクションを見せたところ、現在では入手が困難という貴重なさかずきも見つかった。日本古来のコミュニケーションの道具でもあった日本酒と酒器は「日本人のきずなを深めてきた歴史」(嘉納社長)でもあることから、多くの人が見られるようにした。

 展示室は1室だが、展示棚は酒と酒器の関係、酒器の歴史、江戸時代の名工などによる名品、全国のさかずきなどをコレクションを生かして幅広く展示。ひと巡りすれば酒器の概要が理解できる展示構成にした。記念のさかづきや、欲張ってたくさん注ぐと逆に酒が飲めなくなる、といった珍品も展示。展示物の観覧後には、楽しく試飲できるようにした。同館の館長も兼ねる菊正宗酒造資料館の後藤守館長は「今後は新しいコレクションも増やしていきたい」と話していた。

 菊正宗酒造資料館の開館日に「盃展示館」もオープンする予定。ただ見学は予約制で、見学予定日の2日前までに専用ホームページから申し込む。入館料は無料で、学芸員による解説が付いて所要時間は約30分。正式なオープン日は今後詰める。新型コロナウイルスの感染収束後には、同社の展示施設3施設を組み合わせ、日本酒に特化した海外からの観光誘致にもつなげたい考えだ。

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