アシックスの今期、純利益44%増 ランニングシューズに需要継続・粗利も改善へ

20220210アシックス

【神戸経済ニュース】スポーツ用品大手のアシックス(7936)は10日、2022年12月期の連結純利益が前期比44%増の135億円になる見通しだと発表した。ランニングを中心とした競技用のシューズが伸び、増収効果で増益を見込む。新型コロナウイルスの感染拡大を受けてベトナムで生産が混乱した影響は第1四半期に残るほか、物流コストの上昇、広告宣伝の強化も予定するが、数量効果で生産性は向上する。年間配当は32円(うち中間16円)と、前期比8円の増配を予定する。

 売上高は前期比4%増の4200億円、営業利益は5%増の230億円を見込む。売上高・営業利益率は5.5%と前期に比べて0.1ポイント改善する見込み。販売増と粗利率の改善で粗利が145億円増加する一方で、ネット通販での変動費増やデジタル化投資、広告宣伝費の増加などで134億円の費用増を計画。差し引き11億円が今期の営業利益の増加幅になる計算だ。

 商品カテゴリー別で主力の高機能ランニングシューズなど「パフォーマンスランニング」分野は、売上高が7%増の2230億円、営業利益が2%増の435億円になる見通しだ。主力製品の販売価格には、原材料費や物流費、人件費などの上昇を転嫁。粗利率の向上を狙う。駅伝やマラソンなどトップ選手の間でのシェア奪還も引き続き力を入れ、今期は米オレゴンで7月に開催する世界陸上に向けて新製品を投入する計画もあるという。

 同時に発表した21年12月期の連結決算は、最終損益が94億円の黒字(前の期は161億円の赤字)だった。東京五輪・パラリンピックは無観客開催になったことで、関連商品の販売は当初の想定を下回った。ただパフォーマンスランニングを中心にすべてのカテゴリーで収益が拡大した。売上高は前の期比23%増の4040億円、営業損益は219億円の黒字(前の期は39億円の赤字)になった。

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