川重、油圧リモコン弁の販売1000万台到達 97年発売「PVシリーズ」

20211230川重油圧制御

【神戸経済ニュース】川崎重工業は、重機ショベルの作業用レバー(写真左=川重提供)や走行用ペダル(同右)として搭載する油圧リモートコントロールバルブ(油圧リモコン弁)の「PVシリーズ」の販売台数が今月、1997年の発売からの累計で1000万台に到達したと発表した。レバーやペダルを操作して動いた幅に合わせて、機械類の制御情報を油圧で伝達する。

 建設機械が求める操作の安定性や、耐久性の高さが評価され、PVシリーズは世界でトップシェアの製品だ。現在、世界の重機ショベルやミニショベルの約半数には、川重が製造した油圧リモコン弁を何らかの形で搭載している計算になるという。

 前身の川崎造船所が船舶の舵を油圧で動かす技術を採用して以来、川重には100年を超える油圧技術の歴史がある。油圧リモコン弁の生産は1968年に開始。さまざまな機械に油圧機器を搭載した経験から、顧客の目的や用途に対応して機器をチューニング(微調整)するためのノウハウの蓄積があり、これが同社の油圧機器の強みになっている。

 最近では油圧機器を電気制御するための制御機器の需要も増えている。IT(情報技術)化やIoT(センサーや道具をネット接続する常時情報監視・取得)に対応した電気リモコンでも、油圧機器で得た顧客の信頼を同社の強みにしたい考えだ。

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