山谷関西エアポート社長「苦境続くが歯を食いしばって投資」 上期2年連続赤字

20211215山谷関西エア社長

【神戸経済ニュース】関西国際空港、大阪国際(伊丹)空港、神戸空港の関西3空港を運営する関西エアポート(大阪府泉佐野市)の山谷佳之社長(写真=同社提供)は、15日に開いた2021年4〜9月期(21年度上期)決算についてのテレビ会議システムを通じた記者会見で、上期としては2年連続で連結最終赤字を計上したことについて「たいへん厳しいものとなってしまった」と述べた。新型コロナウイルスの「感染収束までは、いましばらく時間が必要であるとみられ、空港にとっては苦境が続くが、歯を食いしばって将来に向けて必要な投資を着実に実施し、安全安心の確保はもとより、地域の経済成長の基盤となる空港をたゆまず運営する責務を今後もはたしたい」と語った。

 山谷社長は、国際航空運送協会(IATA)などの国際業界団体が「2024年春ごろには(新型コロナ感染拡大前である)2019年の航空需要に戻る想定をしている」と指摘。「需要が戻る中でT1リノベーション(関西国際空港第1ターミナルの改装)を完成させ、(25年の国際博覧会である)大阪・関西万博を迎えたい」と話した。

 21年4〜9月期の神戸空港が1億円と小幅ながら単独で最終黒字を計上したことに関連して、山谷氏は「神戸空港を離発着する航空会社は熱心にというか、レジャー客向けにいろんな提案をして搭乗率を高める工夫をされていると感じている」と話した。新型コロナの感染拡大以降では、神戸空港ではスカイマークが20年10月に神戸〜宮古(下地島)航路を新規開設したほか、フジドリームエアラインズが神戸発着の日帰り遊覧飛行で人気を集めたことなどがあった。

 19年5月の関西3空港懇談会で、神戸空港への国際線就航について25年ごろに検討することで合意していた点については、改めて「方向性は失っていない」と語った。神戸空港は関西国際空港と大阪国際(伊丹)空港の補完という位置付けに変わりはなく、「もし需要が戻り、さらに伸びていくという前提では(国際線就航の)検討が必要になり、その1つの目安が大阪・関西万博」と指摘。万博を開催する25年まで「年が明ければ残り3年というのを、私たちがどうとらえるかは課題」としながらも、3空港懇での合意を「私たちの方から修正することはない」と説明した。

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