村井慶大教授「世界のネット関係者すべて集まる会議が神戸に戻る」ICANN開幕

20190311村井慶大教授

 国内でのインターネットの立ち上げに大きく貢献し、日本のインターネットの父とも呼ばれる慶應義塾大学の村井純教授(写真)は11日、神戸市内で開幕した国際会議「第64回ICANN」(ICANN64)の開会式後に神戸経済ニュースの取材に応じ「(ICANN設立前の)1992年に世界のインターネット関係者を集めるという最初の会議を神戸でホストしていただき、みんなで作ったインターネットが社会の中でどういう意味を持つかというのを初めて議論した場所に戻ってくることができたのは、とても有意義なこと」と話し、神戸で開催することの意義を強調した。

 村井氏は「92年の会議後に当時の神戸市長にIT(情報技術)のアドバイザーを依頼され、それが神戸市が全国の自治体で初めて(city.kobe.jpと独自のドメインを持つ)ホームページの開設につながった」と説明。「その後に、地震(95年の阪神淡路大震災)が起きたことで、地震とインターネットの関係を強くしたのも神戸だった」と振り返った。「日本においてのインターネットの大きな意味である『自然災害に生きている私たちがどう取り組むか』ということの発祥の地であり、それから多くの地震を経験してインターネットが多くの人の役に立ったという状況の中で、再び神戸に集うことができたのは本当にありがたい」と話していた。

 今後のインターネットの展開について村井氏は「日本ではコネクテッド・インダストリー(接続した産業)ともいうが、あらゆる分野の産業がインターネットの恩恵を受ける」とみる。そうした「新しい時代を迎える中で、民間の役割、政府の役割とさまざまな立場があり、ステークホルダー(利害関係者)全員が協力するという『マルチステークホルダー』によってグローバルな空間を作っていくのがICANNの新しい事業モデル。それが展開できるのはとても良いことだと思う」と話し、今回の会議の成功にも期待を寄せた。

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